色彩心理学入門: ニュートンとゲーテの流れを追って (中公新書 1169)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 331
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121011695

作品紹介・あらすじ

色彩の研究は、ニュートンの実験に始まり今日の色表示体系に至る流れと、ゲーテの観察に始まる、色の主観的な体験の現象学の流れとがあり、そこに両者に欠けた色覚の生理学の流れが加わっている。さらに色には、感情や文化と結びつく複雑な側面もある。この広範囲におよぶ色彩のさまざまな問題を、主要な人物の貢献を紹介しつつ解説する。色彩への実用的知識が要求される現在、その課題にも応えてくれる格好な入門書となっている。

感想・レビュー・書評

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  • これはすごい
    よくまとまってる!!

  • 光学と心理学の両面から色彩を解説した読みやすい入門書.

  • まったく専門外の事象をわかりやすく、興味が持てるように説明してくれるのが新書の醍醐味だと思うのだけど、そういう意味でこの本はとても良かった。タイトルから想像する以上に中身はかなり科学的な知見から構成されており、色彩に関する過去の主たる研究について文系の私でもすんなり読めるように構成されている。(数式なんかは理解できないので流し読みましたが…)ゲーテが色彩研究していたのも知らなかったし、色覚異常と、動物の色彩感覚に関する章はとくに興味深かった。

  • 色は物理学的にどういうものなのか。
    色は人間にとってどういうふうに見えるのか。
    前者の出発点がニュートンで、後者の出発点がゲーテです。
    この2つの視点から、色について見ていきます。
    なので、最初の方は生物学寄りで、最期の方にかけて心理学寄りになるという構成です。

    色には色相、明度、彩度の3つのパラメータがあるとか、xy色度図とか、分かりそうで分からない話を、頭の中で位置づけることができるようになったように思います。

  • 色彩心理学という学問の歴史について書かれたような本。ニュートン「光学」とゲーテ「色彩論」を起点として,さまざまな理論が登場する。色彩工学の知識の補完に使える本。

  • 久しぶりの再読。

    色彩の心理学に関する話題は少なめ。色彩の科学に関してかなりのページを割いている。色彩心理学を理解する上で色彩の科学を知っておく必要があるからか?

    動物の色覚、色の見え方が波長だけでは決まらないこと、暖色と寒色、進出色と後退色といった色の効果の話題が面白かった。

  • まじめで好感の持てる書きぶり。ただし、タイトルからは色彩の心理に与える影響について書かれていることを期待したが、知覚の生理学的な解説が大半であった。心理学的な影響については暖色に関する解説、色の持つイメージのアンケート結果ぐらいしかない。

    ・色覚体験は極めて主観的なもので、他人の色覚体験については分からない。こういうものが「あか」だと教わって育ってきた人が実際どういう体験をしているのかは分かるすべがない。色盲者で、かなり年がいってから自分が色盲であることに気づくケースも稀ならずある。

    ・赤と緑を混ぜると黄色に見える(混色)。が、これはプリズムで分解できる。純粋な黄色はプリズムで分解できないが、われわれの目には混色も純色も区別ができない。混色は感覚的な現象で物理的な現象ではない。一種の錯覚。

  • 卒論の参考文献の足しにしただけ

  • 色彩というのは、光が言葉(音)に変化する間に存在する「気配」の言語。

    そのような解釈から、言葉を司る職業に携わるものとしてオーラソーマに惹かれました。光と音の間で、「いのち」の会話が成立する。そこではすべての存在は対等で、平等であることができるような気がしています。

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著者プロフィール

■監修・執筆/大山 正(オオヤマ タダス)
東京大学元教授・日本大学元教授

「2019年 『公認心理師 合格テキスト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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