福島正則: 最後の戦国武将 (中公新書 1491)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121014917

作品紹介・あらすじ

賤ケ岳の殊勲で「七本鎗」筆頭と称えられ、華々しい戦功を重ねた福島正則は、武勇一点張りの粗暴な武将とも評される。だがその実像は、義理人情に厚く不器用なまでに一途に生きた人物である。幼少より秀吉に仕え、豊臣家の存続を願いながら、のち家康に与した「変節」も、泰平の世の到来を希求すればこその苦悩に満ちた決断であった。時の権力者から重用されながら戦国時代の終焉とともに凋落の途をたどった猛将の悲劇的宿命を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 今のところ福島正則の生涯についてざっくり知れる唯一の一般書籍。
    正則に対して基礎知識があれば、特段苦労せずに読めると思う。
    ただ、少し古い本なので、秀吉死後の流れは従来説(と今の段階で最早言っていいのかわからない)を基本的に無批判に踏襲してる。
    また、これは自分が資料に対しての知識がほとんどないので自信はないが、典拠になってる資料が信用できるか怪しいものがかなり多いのと、著者の感情論がちょこちょこみえる。

    正則は知名度のわりに、書籍や論文も少なく、体感だが一般的に武勇極振りで酒飲んでなければまともなのに、と思われてるイメージが強い気がするので、そこらへんについてもっと異議申し立ての一般書籍がでればなと思う。
    この本では武勇の件を前面にだしつつも、正則の政治面での話や、朝鮮出兵時の奉行としての働きについて触れてるので、読めば少しイメージは変わるのではないかなと。


    ※典拠資料の是非や、従来説をとってるところはスルーするとして、満天姫が信義の生みの親になってるのは流石に訂正したい

  • 福島正則の出自の謎や武功に関するエピソードが豊富です。
    家名にこだわらない戦国の武辺者、徳川の目指す世とのギャップが大きかったようです。
    晩年の減封はあっさり描かれています。日ノ岡関所の一悶着で「家康に処分されても悔いはない」と決意していたように、身の浮沈は常に覚悟のうえだったのでしょうか。
    にしても、石高えげつなく減らされすぎな気が。

  • 1999年刊行。著者福尾は元広島大学教授。藤本は大阪市史編纂所嘱託・大阪人権博物館理事。◆賤ヶ岳の七本槍の一人で、三成嫌いの武断派として著名な福島正則の人物評伝。いわゆる伝説というべき賤ヶ岳よりは、その後の根来征討、文禄の役以降など、史実として確定できる事象をおもに解説していく。中でも、関ヶ原合戦後の芸備入国が詳しいのは望外。◇ただし、やはりというべきか、史料が少なく、細かなところ、あるいは秀頼や淀殿への対応は明快にならず。

  • 豊臣秀吉の子飼いの武将で、後に徳川家康の昵懇大名の一人となった福島正則について書いた本です。
    この本は小説ではなく、歴史書に分類されると思います。

    この本では、武将としての活躍はもちろんのこと、安芸に移った後に石高を増やすなど、政治的な面でもしっかりと対応していた様子が伺えます。

    また、義理人情に厚い武骨な人物として描かれていて、数々のエピソードが面白いです。

    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-3575.html

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