ザリガニはなぜハサミをふるうのか: 生きものの共通原理を探る (中公新書 1545)
- 中央公論新社 (2000年7月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121015457
作品紹介・あらすじ
ザリガニは子どもたちの人気者であるが、実験動物として生物学者の間でも人気が高い。ものの気配を感じとって大きなハサミをふり上げる格好は、子どもだけでなく大人にも面白いが、この定型化された振舞いがどうして起こるかは、やっと最近になって明らかになってきた。分類と分布、体のつくり、生活史、感覚・行動など、一つの動物を通して動物学の共通の原則が理解できるように試みた、ザリガニづくしの異色の本。
感想・レビュー・書評
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オビの「ザリガニがわかればヒトがわかる」というのはやや大げさとはいえ、ザリガニから生物に関する多種多様な共通原理が得られるというのは事実。
どこか親しみや懐かしさを感じるザリガニ、その歴史から様々な利用法まで、政治や哲学、経済などをちりばめながら理解していくというのは読んでいてそれなりにおもしろい。
著者のザリガニにかける情熱、ザリガニにおける自負心なども見え隠れして期待以上にたのしめた。 -
もうオタク本である。「生きものの共通原理を探る」という副題がついてるが、はじめから終わりまでザリガニ一色である。世界中のザリガニの生息状況から人との関わり、日本でどのように生育圏広げてきたか、ザリガニが如何に一生を終えるか等々これを読めばザリガニ博士である。
第7章以降ザリガニの解剖学的な知見を通して生物の行動原理が書かれていて、まあそういう意味では副題の通りであるがこのあたりになるとオタク+生物学の専門知識がないと太刀打ちできないの感あり。
6章以前のザリガニのAtoZ部分だけでも十分ためになるので、ザリガニに興味がある人にはお勧めである。
因みに私は管理するビオトープから如何にザリガニを駆除するかに頭や痛めているのである。 -
ザリガニを飼い始めたのをきっかけに読み始めました。
前半はザリガニの生態などの記述を学術的な話を交え、ザリガニがアリストテレスやフロイトなど実に多くの著名人に節足動物の神経系に関する研究対象として取り上げられてきたかが紹介されています。後半はちょっと専門的な話が多くなり、生物学に好奇心旺盛な私でもちょっと用語について行けないなぁという部分もありました。が、筋肉やニューロンなどの神経系について触れた上で、動物学が何を目的としているのか、最終章での哺乳類と節足動物の比較の中での記述は非常に示唆的でした。とにかくザリガニ尽くしの内容なので、ザリガニ好きの方は一読を是非お奨めします。 -
ハイハ〜ィ。
皆さん、何故ザリガニはハサミをふるうのでしょうかねぇ〜?とって〜〜も疑問☆
そんな方(!?)にオススメの一冊。
・・・ってーか、これ凄いですよ!マヂで!!めっちゃおもろいですよ!!!
行動原理の話かと思えば、最初が「食」としてのザリガニで「早速食われるんかぃ!」と思い切り突っ込みました。
んでもって、知られていないザリガニの歴史。。。
日本のザリガニ分布に詳しくなれます。
また、日本人のエビ好きにも驚かされます。(コレが普通だと思ってた。。。。)
後半の方は、めっちゃ科学ですが、そーゆぅのに興味ない人も前半だけ読む価値有!!な1冊です。