外国人学校: インターナショナル・スクールから民族学校まで (中公新書 1970)
- 中央公論新社 (2008年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121019707
作品紹介・あらすじ
日本には現在、二百校異常の外国人学校がある。多国籍の子どもを対象とするインターナショナル・スクール、駐在者の子弟が多いフランス人学校やドイツ人学校、アジア系の朝鮮学校や中華学校、最近増えているブラジル人学校…。由来もカリキュラムも様々だが、どの学校も、身近な異文化の象徴として国際交流の舞台となっている。あまり知られることのない外国人学校の歴史やシステム、授業風景を紹介し、その意義を考える。
感想・レビュー・書評
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公の支配に属しない外国人学校
外国人学校の現状と歴史について概括的に述べた良書。
ただ、日本国憲法第89条により、「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」(なお私学助成が合憲なのは私学が公の支配(国や地方公共団体の管理)に法律的にも実質的にも属しているから)のであるから、外国人学校が、日本国による何等かの支配に属さない限り、補助金を得ることができないことは(日本国憲法上)自明と思えるが、なぜその点に触れていないのだろうか?
この点とも関連して、韓国学校の3校が一条校として認可されているのを除くと、各種学校扱いとなっている旨を述べる(p.210)が、これは、(外国人学校ではないという意味で)一般の各種学校が学習指導要領準拠・検定教科書の使用・免許教員の採用等の条件を満たさないと一条校として認可されないのに反して、外国人学校には特権を与えるべきとの趣旨だろうか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久しぶりにおおーぉおもしれえと思いながら読みました。外国人(といってしまうのもあれですが)の方というのはおそらく、日本人である私がおもっている以上にこの国で生活しています。すでに高度成長期に受け入れてしまっている以上、これから先この国で違う国をルーツとする人が増えることはあってもいなくなることはあり得ません。現在の、そしてこの先の多文化が共生する社会に向かい教育から考えるうえで重要な知識だと感じました。
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大学の授業で紹介された本なので読んでみた。外国人学校は普段意識しなかったが、これを読んでまたひとつ意識しなければいけない点が増えた。外国人学校の基礎知識は十分にこの一冊で得られる。
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意外と知らない外国人学校について書かれた一書。
日本で一番多いのは朝鮮民族系の学校化と思っていたが、意外にブラジル系の学校が一番多いことに驚いた。特に東海地区に集中しているらしいが、子供が安心して教育を受けられる環境とは程遠いのが実情である。これは外国人学校の法的位置づけによるものに要因があると著者は言及している。
入門にはぴったり。 -
日本には外国人が増えてきたに従って現在の日本には二百校以上の外国人学校があります。多国籍の子どもを対象として、子供たちはどのよう な学校が必要ですか、学校のシステムや、異国文化の学生たちはどんな学校か自身に合うか?この本は詳しく紹介しています。外国人の私は日本には外国人学校がそんなに多いことは全然知らなかった。びっくりしました。でも、日本の国際化の進展とともに日本と外国との関係が反映されています。