性格とは何か-より良く生きるための心理学 (中公新書 2603)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121026033

作品紹介・あらすじ

「もっと〇〇な性格だったらなあ」――本書は、そんな思うようにいかない「性格」をめぐる疑問に、心理学の研究成果から実証的に答える。歳をとるにつれて人間はどう変わるのか。国民性や県民性などと言うが、住む地域がもたらす影響とは。時代が経つにつれ、人類は賢くなっている? 男女の違いはあるのか。そして「成功」できる性格とは。性格についてよく知ることで居心地よい環境を作り、幸福な人生を送るために。

感想・レビュー・書評

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  • 何となく感じている性格に関する知識が、改めてデータを用いて実証されている。性格の完成については意外な結果で、人はある程度の年齢になると性格は変えられないんだろうな、と思っていたが、意識や習慣によってゆるやかに成長し続けると聞き希望が持てた。ただ、結局のところ「人による」というのが結論で、絶対は存在しないとのこと。

    どのような性格であっても、風土や環境によってのびのびと暮らせる可能性があるのであれば、自分の心惹かれる方を素直に選択していく重要性を感じた。人生のビッグイベントを経て、私も少しずつ成長していきたいものだ。

  • 性格とは何か?性格の分類方法と、分類項目別の特徴とその傾向について、年齢・地域・性差・一生の変化などについての相関の有無の研究成果と性格の生かし方について紹介した心理学者の新書

  • 性格あたりの分野は、アカデミックな議論がないがしろになりがちだが、こちらは専門家のレビュー付きなので、有用。
    また話のねたにつかわせていただきます。

  • 読みやすい良書

    自尊感情の高まりは死への恐怖を和らげる(存在脅威管理理論)

    浮気の傾向
    夫は妻が神経症傾向とナルシズムが高く、開放性が低い場合に浮気の可能性が高まり、
    妻は本人の外交性が高く、夫の神経症傾向が高い場合に浮気の可能性が高まる

  • これまでビジネス誌などで時折、目にしてきたグラフや心理学的言葉の意味を深く理解できたように思う。
    心理学的研究の限界や解釈の難しさについても言及されていて納得する。

  • 人の性格は昔からタイポロジー、類型化して特徴を把握しようと取り組まれてきた。
    →ステレオタイプによる認識は人間の本質的な特徴。

    子供の性格は、子の特性とそれに対する親のしつけなどの環境にも大きく影響を受ける。

    世界的に見ると日本人は、自己評価での自尊感情は低く、かつ平成以降低下の一方。アメリカ、中国などは高い傾向にあるが、身近な他人と自分を比較すると日本と同じ評価になる。

    それにしても、世界各国の類型論だと
    日本人→勤勉でなく神経症傾向にあるって、なんだかなぁ。

  • 性格とは何か?いつ安定するのか?地域差、年代差はあるのか?加えて、性格が人生に及ぼす影響に迫る。

    主にビッグファイブに基づいて性格が論じられる。性格は変化し続け、地域差、年代差があるとする。
    一方で、差があると言っても統計上その差は大きくないことも述べている。国内外のメタ分析を用いた研究を多数引用し、説得力ある文章だったと思う。

    性格は行動を変えることで変容できるが、適応の結果である性格を大切にするべきとの意見に納得した。

    性格を知ることでどのように環境を調整すればいいか考えるヒントになると締めくくっている。

  • 終章を読んで、自分の性格との向き合い方を考えることができました。

  • 性格の5つの次元(ビッグファイブ)
    ・外向性
    ・神経症傾向
    ・開放性
    ・協調性
    ・勤勉性

    上記をもとに自己分析してみると、自分の性格がよく理解できそう。

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著者プロフィール

早稲田大学文学学術院教授。
2000年,名古屋大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。主著に『性格とは何か―より良く生きるための心理学』(中央公論新社,2020年),『性格がいい人,悪い人の科学』(日本経済新聞出版社,2018年),『パーソナリティ・知能』(共著,新曜社,2021年),『レジリエンスの心理学』(共編,金子書房,2021年),『非認知能力―概念・測定と教育の可能性』(編著,北大路書房,2021年),『Progress & Application パーソナリティ心理学』(サイエンス社,2014年),『性格を科学する心理学のはなし―血液型性格判断に別れを告げよう』(新曜社,2011年),『はじめて学ぶパーソナリティ心理学―個性をめぐる冒険』(ミネルヴァ書房,2010年),『大学生ミライの因果関係の探究』(ストーリーでわかる心理統計,ちとせプレス,2016年),『大学生ミライの統計的日常―確率・条件・仮説って?』(ストーリーでわかる心理統計1,東京図書,2013年)など。

「2022年 『大学生ミライの信頼性と妥当性の探究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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