江戸―平安時代から家康の建設へ (中公新書 2675)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121026750

作品紹介・あらすじ

徳川家康が入城し、将軍の本拠地として大都市へ変貌した江戸。その始まりは平安時代末、秩父平氏一族の江戸氏が拠点を置く低湿地だった。太田道灌の江戸城築城、戦国大名北条氏の支配を経て、入府した家康の大工事によって、城と町は発展を遂げる。江戸の繁栄はいかにして築かれたのか。本書では新知見をふまえ、中世から近世への変遷過程を解明。平安時代の寒村から、豪華絢爛な都市が成立するまでの500年を描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • <目次>
    第1章  秩父平氏と江戸の故地~平安時代
    第2章  太田道灌の江戸築城~15世紀後半
    第3章  小田原北条氏の両国へ~戦国時代
    第4章  中世江戸の交通~水陸両交通の要衝へ
    第5章  家康の江戸入府~1590年
    第6章  豊臣期の城づくり~文禄年間
    第7章  徳川家の城下町へ~関が原合戦直前
    第8章  天下人の江戸拡張~関が原合戦後
    第9章  将軍家の城、都市へ~元和年間

    <内容>
    江戸時代以前の江戸の町、江戸城の様子を描く。史料が少ないので(考古学的にも発掘ができない)、推測の多い内容。あまりイメージできなかった。

  • 中世から近世にかけての江戸が大都市へと発展していく変遷を追う一冊。家康入城以前の江戸、徳川時代における普請過程の詳細、中世からの断絶と継承の諸相など興味深い論点が多かった。城郭研究を知る取っ掛かりにもなる内容だと思う。

  • 梅田のブックスタジオで購入。以外、メモ。

    江戸と江戸城について中世から寛永年間まで連続で描く。秩父平氏の一族江戸氏の拠点。地名は河口という意味か?秩父平氏一族は水運の要衝を押さえていて、江戸も鎌倉大道、東海道が通っていた。これらや街は城の拡張で移転した。

    扇谷上杉の本拠地だった時期がある、北条氏の時に足利義氏の御座所にする話、慶長年間の江戸城は東西に独立して並んでいたということを初めて知った。

    家康以前は寒村という説があるが、浅草寺など古代からの寺院があり、大都会ではないにしろ要衝であったのだろう。

  • 江戸城建・改築を中心に、中世(江戸氏等)→太田道灌→織豊時代→家康・秀忠時代からの江戸の街づくりを詳細な歴代の地図を交え、高度な研究成果を披露。素人には多少専門的ながら、江戸東京博物館の学芸員の長年の経験を踏まえた江戸フアン待望の高レベルの学術書。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50277951

  • あれ?この本、先日読んだ「中世を道から読む」と同じ作者か。道理で同じようなことを書いている箇所があったわけだ。
    それはともかくとして、この本では江戸というか江戸城の江戸時代以前の歴史を見ていくものです。江戸城って、今の本丸と東近美あたりにしかなかったのかとか、その江戸城と吹上を通過する街道があったとか、江戸城本丸の中に元々は複数の曲輪があったとか、今となっては江戸時代の土地改良ですっかり痕跡も無くなった話が続きます。今となっては全くその当時を想像できないのです。

  • 東2法経図・6F開架:B1/5/2675/K

  • 江戸稲府はいつからか
    家康が見た江戸
    「大江戸」までの道のり
    第1章 秩父平氏と江戸の故地―平安時代
    江戸築城はいつか 
    江戸氏一族
    山王の故地
    江戸郷
    江戸氏に関わる中世遺跡
    江戸の故地
    第2章 太田道潅の江戸築城―一五世紀後半
    太田道灌の登場
    道灌の江戸城
    道灌と江戸
    平川の流れ
    「高橋」の場所
    城下平河
    平河の範囲
    薬師堂と増上寺
    川越城と江戸城
    第3章 小田原北条の領国へ―戦国時代
    江戸落居
    古河公方家の御座所
    芳春院殿の弔い
    豊前家と有俺屋敷
    江戸御座所計画
    武田信玄の江戸攻め
    江戸御座所の終焉
    「大橋宿」
    三船山の合戦
    大橋の象徴性
    第4章 中世江戸の交通―水陸両交通の要衝へ
    東西の交通
    変遷する「大橋」
    鎌倉大道
    喰違門
    北青山遺跡
    戦国期の正而と登城路
    北条家の婚礼行列
    戦国期の舗装道路
    江戸氏の大道
    陸上交通の結節点
    水上交通と江戸
    第5章 家康の江戸入府―一五九〇年
    江戸入城 
    某書状 
    家康と江戸
    城初期江戸の画期
    『落穂集追加』
    遠山時代の遺産
    家康の江戸城整備
    『石川正西聞見集』
    第6章 豊臣期の城づくり―文禄年間(一五九三~九六年)
    家康ー秀忠の二頭体制
    天正末・文禄期の築城
    「慶長江戸図」
    馬出の流行
    各地の大馬出
    馬出の普諮命令
    三角形馬出
    本丸の正面
    家康の江戸城
    新城の馬出
    新城の構造
    豊臣大名徳川家康と江戸城
    第7章 徳川家の城下町へ―関ヶ原合戦(一六〇〇年)直前
    日木橋川 
    町場の普請
    寺社の大移転
    キリシタン墓
    中世の町場の消滅
    第8章 天下人の江戸拡張―関ヶ原合戦(一六〇〇年)後
    合体する江戸城
    屋敷地造成ラッシュ
    『落穂集追加』の意図
    和田倉迎跡
    ヤン・ヨーステン
    日比谷入江の埋め立て
    徳川秀忠
    度長・元和期の晋請
    石垣普請
    江戸城の正面の変更
    惣構えの発案
    江戸の方位
    第9章 将軍家の城、都市へ―元和年間(一六一五~二四年)
    屏風のなかの江戸
    金箔瓦の町
    馬出から枡形門へ
    石垣が黒から白へ
    三度の天守
    再建の理由
    おわりにー「大江戸」の完成へ
    虚廟と紅業山束照宮
    惣構え
    家康が見た江戸

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著者プロフィール

齋藤慎一

1961年東京都生まれ.85年明治大学文学部史学地理学科卒業.89年明治大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程退学.2001年博士(史学).1988年より都立江戸東京博物館学芸員.組織改編をへて2010年より公益財団法人東京都歴史文化財団江戸東京博物館学芸員.専門は日本中世史・近世史・都市史.著書『中世東国の領域と城館』(吉川弘文館,2002年),『戦国時代の終焉』(中公新書,2005年),『中世武士の城』(吉川弘文館,2006年),『中世を道から読む』(講談社現代新書,2010年),『中世東国の道と城館』(東京大学出版会,2010年),『中世東国の信仰と城館』(高志書院,2021年).編著『城館と中世史料―機能論の探求』(高志書院,2015年).

「2021年 『江戸―平安時代から家康の建設へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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