冷戦史(上)-第二次世界大戦終結からキューバ危機まで (中公新書 2781)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121027818

作品紹介・あらすじ

1945年頃から1990年頃にかけて、アメリカ中心の西側陣営とソ連中心の東側陣営が対立した「冷戦」。その影響は21世紀の今日にも色濃く残っている。本書は米ソ超大国やヨーロッパの対立のみならず日本を含む東アジアの展開にも力点を置いた通史である。上巻では、1945年に第二次世界大戦が終わり、大国の協調が崩壊して冷戦が始まる経緯から、朝鮮戦争、脱植民地化の進展、さらに62年のキューバ・ミサイル危機までを描く。

感想・レビュー・書評

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  • アメリカとソ連を中心としながら、第二次世界大戦後の各地域の動向が俯瞰的に理解出来る。キューバ危機と言われても、今までピンときていなかったが、背景がよく分かった。
    世界史を勉強している学生向けにも適している内容だと思う。

  • 東2法経図・6F開架:B1/5/2781/K

  • 冷戦が終わって30年以上が過ぎた。ソ連の崩壊が「冷戦の終わり」ということにつながっているわけだけど。
    第二次世界大戦の終わりから、ソ連の崩壊まで丹念な記述で分かりやすい。で、気づいた。実は国際関係は何も変わっていない。「自国の利益のためには他者を踏みつけていく」という観点ではだ。確かにプレイヤーは変わったし、戦う武器(経済動向が特に)も変わった。これがヒトの業ですかね。
    さらに恐ろしいのは、核保有国は増え続けているし、核保有国は侵略攻撃を受けたことがないってこと。

  • 第2次大戦後の現代史(20世紀)の概観に便利。米ソ冷戦時代を一気通読する一冊です(上下二巻組ですけど)。
     
    <こんな方にオススメ>
    (1)第二次世界大戦後の世界史を概観したい
    (2)現代史をより深く丁寧に理解しなおしたい
    (3)東西対立・米ソ冷戦をあらためてとらえなおしたい
     
    <概要>
    20世紀後半の自由主義陣営と共産主義陣営の東西対立となったいわゆる米ソ冷戦時代の通史を非常に簡潔明瞭に理解しやすく概説しています。大まかに地域ごとに区分されてもいますが基本的には時系列で解説されており、冷戦の前史・始まりから終わりまで順を追って読解できます。冷戦が軸となって展開された第二次世界大戦後の世界史を概略的に学ぶにはぴったりだと思います。
    新書二巻組です。全体でいいますと序章と終章を含めて十三章構成になっています。序章で「冷戦」をどのように読み解くかという本書の姿勢を掲げています。第1章・第2章では冷戦の起点となる第2次世界大戦へのプロローグから終結そして冷戦の始まりまで。
    第3章・第4章ではヨーロッパを中心とした冷戦構造の確立。第5章では第三世界における冷戦の世界全体への波及。第6章では核兵器拡大による人類そのものの危機。その具体的事件として、破滅へ迫ったと世界を震撼させたキューバ危機が取り上げられています。
    第7章・第8章ではベトナム戦争などによる反戦運動の隆盛のなかでの東西デタント。第9章・第10章ではデタントからふたたび先鋭化する米ソ対立を経て社会主義経済の行き詰まりと東西冷戦終結。第11章では冷戦後も残された東アジアの分断。終章で「冷戦」とは何だったかのか?という総括がなされています。
     
    ※詳細はブログ「note」にて記載しています。よかったらご覧ください。
    https://note.com/rekishi_info/n/n71afcf901816
     
    (2024/04/01 上町嵩広)

  • 核拡散が精力的に行われて実際に核戦争が起こる寸前のキューバ危機まで。今より核の使用がカジュアルに発想されてて恐ろしい。キューバ危機が避けられたのは単に人類が運が良かったからだという。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/570772

  •  冷戦の起こりとキューバ危機までの時期。冷戦は当初から所与の構造であったわけではない。大戦中は米英ソ協調。一方で英国内の一部に西欧の植民地保有国による「第三勢力」構想。仏はソ連との提携重視。しかしじわじわ欧州内分断が進み、マーシャル・プランが分水嶺となる様子がよく分かる。そして米の孤立主義乗り越えを経て大西洋同盟、NATOへ。
     中国でも、米ソと国民党・共産党の関係はきれいに分かれてはいなかったが、49年初までには共産党は「向ソ一辺倒」に。そして朝鮮戦争は、東アジアの冷戦構造を確定させると同時に、西ドイツ再軍備を含む対ソ防衛強化の必要性を実感させる。
     ただその後は、両陣営の対立が前提でありつつ、その枠に収まらない要素も目につく。東欧諸国の揺らぎや西欧宗主国と米の立場の違い等、各陣営内の綻び。非同盟主義。米ソが介入した第三世界諸国も、単なる米ソの駒と見るのも誤り。
     また、冷戦を作った要素もイデオロギーに加え地政学、また特にこの時期には脱植民地化の過程がある。英仏蘭が旧勢力圏の権益維持に汲々としていた様子が分かる。米は印尼の独立を蘭に、スエズからの撤退を英仏に求めたが、同様に求めに応じホー・チ・ミンを支援していたら、と想像した。

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著者プロフィール

一橋大学准教授

「2018年 『国際政治史 主権国家体系のあゆみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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