大統領になりそこなった男たち (中公新書ラクレ 290)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121502902

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:B1/5A/290/K

  • まえがきを読むまで気づかなかったが、著者は「事情のある国の切手ほど面白い」を書いた人。本作では切手ネタはマクラにすぎず、普通の歴史読みものに近い仕上がりになっている。
    タイトルの秀逸さしかり、とにかく着眼点が抜群に面白い。もうこれだけで、成功は約束されたようなものである。テーマの基本的な性質はマニアックだが、「アメリカ」「大統領」という超メジャーの二乗がその匂いを中和し、おおかたの日本人には馴染みの薄い話を興味深く読ませる。それも単なる紹介にとどまらず、鼻につかない程度に著者の知見を交えて、読む者に考えさせる構成になっている。
    「民主政治は衆愚政治だ」という台詞がある。そうは言っても、賢者の独裁政治よりはバカによる総選挙のほうがましだろうと思ってきたが…アメリカ国内の経済統一を妨害したアンドリュー・ジャクソンや、「カトリック教徒が大統領になろうものなら、アメリカはヴァチカンに寄進されてローマ教皇領になってしまう」という1928年(!!)のネガティヴ・キャンペーンなんて話を読むにつけ、「100%の民主主義国家」でいなければならないアメリカという国もなかなか大変なもんだな、という気になった。
    またタイトルから一目瞭然であるように、本書には「男」しか登場しない。黒人大統領は「ついに」実現したが、女性は2018年の今なお排除されたままである。
    それにつけてもポピュリズムの愚かしさよ、と言うべきか。

    2018/5/17読了

  • 大統領候補になりながら消えていったアメリカの政治家たち。いい仕事をしながら消えていった背景がよくわかる。イラストがすべてアメリカの切手、というのが楽しい。

  • 1人のアメリカ大統領が誕生するまでには、落選者の累々たる屍が築かれる。
    しかしその中には、後世に残る功績を挙げた者も多い。
    顕彰すべき偉人として、切手に描かれた8人の生涯を追う。
    (背表紙より)

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著者プロフィール

1967年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。郵便学者。日本文芸家協会会員。切手等の郵便資料から国家や地域のあり方を読み解く「郵便学」を提唱し、研究・著作活動を続けている。

主な著書
『なぜイスラムはアメリカを憎むのか』(ダイヤモンド社)、『中東の誕生』(竹内書店新社)、『外国切手に描かれた日本』(光文社新書)、『切手と戦争』(新潮新書)、『反米の世界史』(講談社現代新書)、『事情のある国の切手ほど面白い』(メディアファクトリー新書)、『マリ近現代史』(彩流社)、『朝鮮戦争』、『リオデジャネイロ歴史紀行』、『パレスチナ現代史』、『チェ・ゲバラとキューバ革命』、『改訂増補版 アウシュヴィッツの手紙』、『日韓基本条約 シリーズ韓国現代史1953-1965』、『アフガニスタン現代史』、『龍とドラゴンの文化史』(えにし書房)、『みんな大好き陰謀論』(ビジネス社)、『日本人に忘れられたガダルカナル島の近現代史』(扶桑社)、『世界はいつでも不安定 国際ニュースの正しい読み方』、『今日も世界は迷走中』(ワニブックス)、『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.1 戦前編』、『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.2 戦後編』、『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.3 平成・令和編』(日本郵趣出版)、『誰もが知りたいQアノンの正体(みんな大好き陰謀論Ⅱ)』、『本当は恐ろしい! こわい切手』(ビジネス社)、『現代日中関係史 第1部 1945-1972』(日本郵趣出版)、『現代日中関係史 第2部 1972-2022』(日本郵趣出版)。

「2024年 『キュリオマガジン2024年3月号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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