「地方国立大学」の時代-2020年に何が起こるのか (中公新書ラクレ 664)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121506641

作品紹介・あらすじ

平成の30年を経て、大きく変わった国立大学。国による「法人化」や「国立大3分類」などの改革、共通一次からセンター試験への受験方法の変化、さらに加速化し始めた少子化や地方の過疎化に加えて2020年に行われる入試改革を通じ、さらなる激変が予想される。そこで教育ジャーナリストである著者が各地を支える地方国立大のこれまでと、その未来を探る新書を整理。生き残りをかけたその未来を提言する。特に12の学部を要する広島大学、通称“広大”は旧官立大の一つでブランド力“1位”に何度も輝く、正に“地方”を代表する大学のひとつだが、“世界100大学”に入ることを目指し、各種改革やイメージ戦略を実施。近年、その成果が出始めている。そこで前半では国立大を取り巻く事情の整理を、後半では復活の成功例として“広大”を中心に据え、正しい大学改革の姿に迫ると共に、この先、大学が生き残るための方策を探っていく。地方消滅の危機を目前とする今、地方国立大学による大逆転劇が始まる!

感想・レビュー・書評

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  • 昨今の大学にまつわる様々なデータや特色ある大学の取り組みの事例が分かりやすく紹介されていただけでなく、図表を見る上での留意点がしっかり強調されており、紳士的な印象を持ちました。
    また、地方の活性化のためには、地方大学の役割が重要であるという主旨の主張が本書では繰り返し強調されておりますが、それに対して激しく同意します。
    財政に余裕がないと言われていますが、少子化で若年層が少なくなっている昨今だからこそ、東京一極集中ではなく日本全体の底上げを図るためにも教育予算の増額を切に願います。
    今でも有名大学のテレビへの露出が多いですが、この本にも書かれてあるように特色ある取り組みに力を入れている地方大学も多いので、大学受験前の方やその保護者の方にはこういった本を読むなどして、広い視野を持って自分自身や子供、延いては日本の将来について考えてもらいたいなと思いました。
    後半については、広島大学の宣伝要素が強すぎると思いましたが...

  • 大学を取り巻く環境、文科省(財務省)手動で行われる一連の大学改革とその問題点、地方国立大学のなかで広島大学に特にフォーカスして、その取り組みが概説される。
    本書でも述べられているが、国立大学といえも、旧態依然としてはいられないし、日本なり、地方の活性のために求められる役割は大きい。文科省(財務省)の国民へのアリバイ作りの種々の改革には納得しがたいものも多くあるが、社会が変容していくなかで、大学も改革していかなければならない。大学が社会のために活躍できる場面はたくさんあるはずだ。大学で働くうえで、知っておきたいことや、ヒントとして広島大学の取り組みが本書にはたくさん述べられていた。
    お役所的であり、結局は文科省の下部組織と変わらない我々が看過しがちだが、お客さんの目線を意識することは忘れてはならないだろう。大学がどのような学生を社会に送り出せるか、また、学生(保護者)からすれば、大学に入り、学び、卒業すれば幸せな人生が送れる可能性をどれだけ高められるか、そういった視点を片隅に置きつつ、今後の仕事に取り組んでいきたいと思った。

  • 広島大学がめっちゃフィーチャーされてた。志のある良い大学なのだな。あと年表も簡潔で助かる。
    とにかく政策が迷走しているね。何がしたいんだ。

  • 新潟大学を高く評価してくれていた。改めて大学の中の人と外の人の意識や理解は異なるのだということがわかった。

  • 平成30年間に大学に起こった変化を概観し、国立大学をめぐる最新動向を探る。旧帝大系に次ぐ地方有力大学の置かれた現状をデータから読み取り、さらに地方の大学の意欲的な取り組みを探る。先進的な広島大学の動向を追う。

    都会に行くしかない理由、地元では充実して学べない、専門を活かし、収入にもなる就職先がない、が払拭されれば、むしろ地元の大学の方が選ばれるということだと思います。

  • 現在の国立大学の抱える課題、その課題解決に向けた地方国立大学の改革について、よく理解できた。
    高校生やその保護者であれば、志望大学選択の際に、大学に関する知識として知っておくと良い情報だと思う。
    後半の「広島大学の挑戦」では斬新な取り組みが詳しく紹介され、「広島大学への問い」では広大入学希望者の質問に各学部の教授が答えており、広大志望の方は一読の価値ありです。

  • いよいよ来年に迫った入試改革。少子化、地方消滅の危機を前に、日本の未来を救う「地方国立大学」の大躍進が始まる!

  • 東2法経図・6F開架:B1/5A/664/K

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著者プロフィール

木村誠

1944年神奈川県茅ヶ崎市生まれ。教育ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒業後、学習研究社に入社。『高校コース』編集部などを経て『大学進学ジャーナル』編集長を務めた。「プレジデントオンライン」「dot.asahi」など各種メディアに寄稿。 著書に『就職力で見抜く! 沈む大学 伸びる大学』『危ない私立大学 残る私立大学』『大学大倒産時代』『大学大崩壊』(以上、朝日新書)など。

「2019年 『「地方国立大学」の時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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