- Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121600332
作品紹介・あらすじ
形而上学から出発して道徳問題の解明に向かう哲学的探究。
感想・レビュー・書評
-
数年前に 『インサイド・ヘッド』 という映画がヒットしましたが、それを哲学者が書くとこうなる、というような内容でしょうか。
「怒り」「悲しみ」「喜び」など、私たちの身近な「感情」(情念)は、なぜ起こるのか?
それを、17世紀当時の最新の医学の知見(←現代においては、完全な誤りです)を踏まえながら、現代にまでその名を轟かす知の巨人・デカルト先生が一生懸命分析しました。
哲学書(哲学者が書いた本)というと、長くて難解でつまんない><!というイメージがあるかもしれませんが(それ以前にまったくイメージがわかないかもしれませんが)
「教養として、哲学書をちょっと読んでみたい!」 という人がもしいたら、
私は同じデカルトのもっと有名な本である『方法序説』や『省察』よりも、
哲学の入門書としてよく取り上げられるプラトンの『ソクラテスの弁明』や『メノン』よりも、
この本をおすすめします。
「物事を徹底的に考える(=哲学)」って、なんてばかで滑稽で、でも楽しそうなんだろう。
ということがじわじわ伝わってきて、微笑ましく読める一冊です。
中公文庫版は、有名な『省察』ともセットで読めておトクです。
訳者の野田又夫先生はデカルト研究の権威でもあるので、信頼できる訳で、注釈も充実しています。
一般人にとっての読みやすさという観点では、
岩波文庫の谷川多佳子さん訳に軍配が上がります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
知人がデカルトに手を出したということで、私自身ももう一度読みなおしてみた。
省察は近世哲学の集大成とも言うべき、「哲学史の金字塔」である一方、「デカルトを知るための一冊」としてはやや内容不足に感じる。デカルトによる「私」の哲学は、その証明方法や思考方法の徹底さに魅力があるはずなので、本書のあとは是非「哲学原理」を一読することを薦めたい。 -
卒論がデカルトなので読んでいます。
省察はデカルトの哲学の集大成。
いきなり読むのは大変なので
最初は『方法序説』がいいです。
情念論は心身二元論を踏まえた道徳論。
人の心理に興味がある人にもおすすめ。