物語 カタルーニャの歴史 増補版-知られざる地中海帝国の興亡 (中公新書 1564)
- 中央公論新社 (2019年12月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121915641
作品紹介・あらすじ
バルセロナを中心にスペイン随一の繁栄を誇るカタルーニャは、かつてイタリアやギリシャまで地中海全域を支配した大帝国だった。建国の父・ギフレ「毛むくじゃら伯」、黄金時代のジャウマ「征服王」や、騎士・錬金術師・怪僧らが地中海せましと活躍する栄光の中世から、長い衰退期と混乱をへながらも再生への努力を続ける現代まで。20世紀初頭のバルセロナの繁栄、スペイン内戦から、21世紀の独立運動までを増補した決定版
感想・レビュー・書評
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カタルーニャ語の専門家による歴史書。読みやすい内容で、一気に読めた。中世のカタルーニャのことは全く知らなかったので、大変勉強になった。
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著者のたまたま目にして手に取った「カタルーニャ語小さなことば僕の人生」からの流れ読み。
なるほど中世の地中海世界ではいっときでも名を轟かせ、カスティーラ(元スペイン)、フランス、ローマ、ジェノバとも渡り合った立派な王国だったのだ。ギリシャでもカタローニャ語が話された時期があるというのも驚きだ。そんな歴史を持つカタローニャ自治州、スペイン中央政府から不利な補助金配分や施策の不作為に晒されている。独立したいのも無理はない。
スペインのサッカーチーム、レアルとバルサの確執は半端ないだろう。 -
カタルーニャ視点で歴史を見るというのは新鮮で面白かった。特に中世はアラゴンとしてしか見てなかったから余計に。増補版で加筆された箇所は、現在の独立運動のルーツを理解する良い助けになると思う。
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バルセロナでスペイン国旗とは違う旗が多くの家の窓に掛かっているのを見ました。それがカタルーニャ独立旗だと教えてもらい、カタルーニャが独立を求めているのをその時に知りました。
カタルーニャの歴史を知ることで、なぜ独立したいのか?がわかりました。そして、反対派も多くいることも。 -
国際ニュースで注目されるカタルーニャの独立問題も、この地域の歴史を紐解けば、そんな運動や気運が生じる理由がすんなり得心できる。地中海交易で栄えた当地が、大西洋航路の隆盛で一時衰退し、その後スペイン帝国の国力が落ちると、かえって産業都市として発展し始める、といった栄枯盛衰は、それこそが独自性を表しているかのよう。経済の興隆が人の流入や文化の振興を促し、観光都市(でもある)バルセロナを誕生させた。独立志向も金と力があるからこそ。国民国家スペインの側面を見れ興味深かった。
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東2法経図・6F開架:B1/5/1564/K
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スペイン随一の繁栄を誇るカタルーニャ。地中海を制覇した栄光の中世からスペイン統一、内戦、21世紀の独立運動まで増補した決定版