お医者さん・患者さん (中公文庫 A 174-2)

著者 :
  • 中央公論新社
3.45
  • (2)
  • (2)
  • (6)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 45
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122012240

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 中公文庫
    吉村昭 「お医者さん・患者さん」

    大手術を経験した患者目線的なエッセイから 細菌兵器の人体実験ルポタージュまで。


    インフォームドコンセント前の本なので 時代的ズレはあるが、科学の進歩のために倫理を軽く飛びこえる科学者の狂気に対する危惧は、現代のゲノム編集にも通じる示唆がある


    「一寸待て」は 著者が自殺を踏みとどまった話。倉田百三の言葉「生きることは苦しい。自殺はその苦痛からの逃避である。強者は苦痛に堪えて生き、弱者は苦痛に堪えきれずに死を選ぶ」とともに じっくり読む価値あり


    Wikipediaを見るかぎり、著者は 自宅療養中に 自ら点滴やカテーテルを外して 死を選んでいる。大手術や友人の自殺を何度も経験し、自殺を踏みとどまった著者の心境の変化がわかる本があったら読んでみたい



    著者は、医師に高度の人格と専門性を求めているが、医師を取り巻く環境から考えると 求め過ぎな気がする。標準的な倫理観と医療技術を持ち合わせていれば 十分だと思う





































  • 吉村昭らしいエッセイの面白さは少ない
    小説として書き残したものの背景を読むことができる

  • 2014.5.16(金)¥100。
    2014.5.29(木)。

  • おとなの含羞が魅力。頑なさも過ぎず、程よく、そして凛として。本当に好きな作家です。

  • 著者自身の体験や札幌医大の心臓移植についての取材をもとにした私見などをまとめた書籍。
    時代を感じる一冊である。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

一九二七(昭和二)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六(平成一八)年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉村昭の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×