- Amazon.co.jp ・本 (123ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122043718
感想・レビュー・書評
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武経七書のひとつです。平安時代には伝来しており、『玉葉』には『三略』が秘蔵の書であることが窺える記述があるとのことです。義経が『三略』『六韜』を手に入れるため、師の娘を籠絡した伝説もあるほどですが…
『三略』の内容は兵法の戦術はほとんど無く、強い国を創るための組織論、人間の心理書と言えるものだと思います。冒頭「それ主将の法は、務めて英雄の心を攬り、有功を賞禄し、志を衆に通ず」から始まります。この句に北条早雲が兵法の極意をさとったとのことです。内容は簡潔で読みやすく、現在の主将たる人物の参考になる書です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
好みというのか、僕には孫氏の方がしっくりきた。
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漢文の修行を積んだなら、必ず読むべきである。人としてどう振る舞うか、という根源的な部分に及んでおり、極めて啓発的である。個人的に、経済戦争の最中で生きているから、慈雨のごとく身に沁みるのかもしれないが、自信に満ちた断定の数々をもって、我々の生き方を導いてくれる。従って、こんな自信過剰よりも、人間の弱みを見せながら愛嬌を持って生きている方が、好きだという人は必ずいる。私であっても、力強く自己主張する方ではない。しかし、本書で我々を導くような論者がいると、我々は狂喜して学ぶ妙味を感じ、社会に身を立てる基盤が形作られるというものだ。
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釣れますかなどと文王側へ寄り
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日常的な意味での基礎的なものを感じると言いますか、心理学と戦略の親和性を感じました。
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武経七書の一つ。今回二回目で読みました。
君子、将はどうあるべきか、組織をどう運営べきかが中心に記載されていて、権謀術数的な事は少ない。上に立つものがどういう心構えでいるべきかという点に力点が置かれていて、優秀な部下を使うためには公平でなければならないし、まず自分を律する必要があること。また任せた武将の仕事に緩衝しては結局のところ結果がでなくなる、などなどリーダーシップ論として読むと全然違和感のない内容です。
割とすきな本です。 -
中国の最も有名な兵法書の一冊である。
戦時の心構えや、兵士の士気を高める方法、人民に慕われる君主の在り方などが記されている。組織論、リーダーの心構えなど、現代人に通じる所も多く面白い。
「柔よく剛を制す」という言葉は三略を原典とするらしい。国には柔剛強弱それぞれの状態があり、それぞれの性質をよく理解することが大切だという。置かれた状況を理解し、それに対応した行動をとることで、国は栄えると言われている。日本の戦国時代の毛利家や真田家の身の処し方を想起させる考え方だ。大いに共感できる。
また、人民を愛し彼らの生活を楽にするような政策を取り、賞罰を公正にすること。また将が兵士達と同じ生活をすることで、彼らの士気は向上するとの部分は、全くその通りだと思った。部下達と苦楽を共にすることが人心を掴むのだ。本田宗一郎が全国の営業所を回った時のエピソードを思い出した。
また、有能な兵士や将軍、賢者を得るためには高い報酬を惜しみなく分け与えることが必要だという。それが、少数でも一丸となって多数を打ち破るような士気の高い国を作るそうだ。
その他、三略では終始徳による政治を説いている。賢人を用い、部下を愛し、人民に慕われる政治をしなければならないと言う。人民から搾取し、奸臣を寵愛するような国は滅ぶ。当たり前のことだが、歴史を見ると多くの国や組織、企業がこの点について誤りを犯している。現代の国や企業も、三略の教えに学ぶべきであろう。
個人的に孫子に匹敵する内容だと感じた。 -
コンパクトで読み易かった。
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上役になるに当たっての心構え、部下に対する処遇などについて、わかりやすく簡潔に、それでいて古典ならではの説得力を持っている書。
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上略・中略・下略からなる兵法書.
“兵法書”ですが,人心獲得や治国について主に論じている印象を受けました.
薄い本なので,すいすいとテンポ良く読めます.
訳者解説と解説が結構読み応え有りました.