60戯画: 世紀末パリ人物図鑑 (中公文庫 か 56-6)

著者 :
  • 中央公論新社
3.79
  • (1)
  • (9)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 54
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122045989

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 19世紀末パリの著名人達を当時のカリカチュアと共に紹介。人物辞典といった感じかなあ。一世を風靡された方々はやはり偏屈です。デフォルメし過ぎのカリカチュアを見てるだけでも楽しい。

  • 【柏木学長コメント】
    世紀末の新聞雑誌に載ったカリカチュアを元にした人物伝。

    -----------------------------------
    資料番号:10192454
    所在番号:文庫||283.5||カシ
    -----------------------------------

  • 本書の副題は 世紀末パリ人物図鑑

    フランス文学系の多数の著作のある鹿島茂さんが、パリの古本屋で見つけた本と既に蒐集済の本から、人物戯画を60人分選び出し、人物ごとに鹿島さんの短文を添えてできあがっている楽しい本。

    戯画とはカリカチュアのことで、風刺的要素も多分に含みモデルにされる本人にすれば甚だ迷惑な場合もあるでしょうが、読者にとっては思わず笑ってしまう絵も多い。

    記念すべき1ページ目最初の登場者は、フランス国内でとても評価の高い作家、ヴィクトル・ユゴー。
    次は、モーパッサン、ランボー、ゾラ、サラ・ベルナール。ユイスマンスと続いていき、19世紀のパリの有名人たちが60人ずらりと紹介されている。

    19世紀はフランス文学にとって、新聞という媒体が、実に多くの役割を果たした時代だったといえると思う。

    以前は政治色の強かった新聞に工夫を凝らし、大衆の心を掴む紙面づくりをはじめる。
    小説を新聞に連載するという手法もそのひとつであり、文学とジャーナリズムが呼応しはじめた時代でもある。
    美術もポスターやカリカチュアなどの新分野が、印刷技術の向上により普及しだした。イラスト新聞なんていうのも新しいメディアのひとつですよね。

    鹿島さんは、フランス文学者で、著作多数、大学教授で19世紀のフランスは一番のご専門でお得意とするところ。

    週刊朝日百科 世界の文学に連載されたものを再構成し文庫にまとめたのが本書。文庫なのでパリに旅立つ時があるならポケットにしのばせて、飛行機の中で読んでみるのもいいかもしれません。19世紀の視点でパリを歩くのも楽しそうです。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1949(昭和24)年、横浜に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。2008年より明治大学国際日本学部教授。20年、退任。専門は、19世紀フランスの社会生活と文学。1991年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、96年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、99年『愛書狂』でゲスナー賞、2000年『職業別パリ風俗』で読売文学賞、04年『成功する読書日記』で毎日書評賞を受賞。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。書評アーカイブWEBサイト「All REVIEWS」を主宰。22年、神保町に共同書店「PASSAGE」を開店した。

「2022年 『神田神保町書肆街考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鹿島茂の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
谷崎潤一郎
クラフト・エヴィ...
フランツ・カフカ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×