エリカ (中公文庫 こ 24-7)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122049581

感想・レビュー・書評

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  • やめたことはないけど本気でやめようと。
    いつからこんなことに。
    かなり根深いな。
    もう焦がれた真理子さんはいないのかな。

  • 小池真理子の書きたかったこと。
    日常にありえる設定で、どの方向へ進むかではない。
    どの方向へ進んだとしても、そこにあるのは日常であるということ。

    設定そのものに対する見方を提示している。
    描写の旨さは、旨いことがいいことなのではなく、日常的である枠に収めてしまうところがいいことなのではないか。

    小池真理子が書きたかったことはそんなことではないかと思う。

    「瑠璃の海」と並行で読んでいた。

    エリカが積極的な人との出会いの場合で、
    瑠璃の海が後ろ向きな人との出会いの場合を
    模擬実験した結果の例だと見ればいいかも。

  • 急逝した親友の愛人から寄せられるアプローチに揺れる主人公の様子を著した「エリカ」は、彼女が抱く微妙な感情の動きが仔細に表現され、数々のサスペンスものを手掛けてきた作者ならではの心理的描写が際立つ。登場人物の関係性はアントニオーニが監督した「情事」にも通じ、シネフィルの小池真理子があの映画をモチーフとしたように思えなくもない。本作の主題とも言える「愛の不毛」を撮り続けたフィルムメーカーがアントニオーニであることを考えれば、両者の繋がりが見えてくる

    世の中に溢れる数多の「愛」のなかに、まやかしではない真実の「愛」は一体どれくらい存在するのか。永遠に手には入らないと知りながらも、それを求めて止まないのはきっとエリカだけに限らないだろう

  • 湯浅は好きになれないし、宮本くんは何がしたいのかわからないし、最後は私もエリカと一緒に疲れちゃいました。

    湯浅は一歩間違えたら、笑われるような行動とセリフを恥ずかしげもなく繰り出してきて、冷静に読んでるから魅力がわからないのか、エリカの立場に立てば虜になってしまうのか不思議でした。

    エリカも振り回されすぎだとは思うけど、これは男たちが良くないんじゃないかと思いました。
    湯浅にもう少し痛い目見て欲しかったです。

  • 40を過ぎて独身のエリカは親友蘭子の死を機に不倫相手の湯浅と出会う。湯浅の甘ったるい口説き文句に気障なサプライズ。愛してると言われる程に愛されていないと感じる。盗聴していた洸一に自分とは何かを尋ねる。誰もが不毛の愛に悩み、愛を求め愛し愛されようとしている。

  • リーダブルなストーリーと細部まで美しい文章、恋とも言い難い割りきれない感情。
    丁寧に書かれた小説でした。

  • 同じ名前の本なのでいつもは読まないタイプの読んだけど読んでみた。本当の愛を見つけることができない人たちを描いていた。細かく心情が描かれていて共感できるところも割とあった。

  • 好きな作家なので読み始めたが、登場人物が胸糞悪くて、途中何度も放り出しそうになった。
    どんでん返しがあることを期待して最後まで読んだが、正直不快。

  • 愛を信じたいが、信じきれない女。愛の成就をプレイないしゲームと考えている男、いびつな形でしか純愛を表現出来ない少年(年齢では違うが、精神年齢では間違いなく少年)。この三者の三角関係にすらならないディスコミュニケーションを描く。大人の二人の関係はやや陳腐、通俗的だが、これが、少年と女の愛のすれ違いを際立たせる効果があった。その意味で、二人の心のすれ違い、少年の傷心をもう少しうまく描いて欲しかったところ。

  • バーガー亭の彼の愛はわからない。でもそういう愛もあるのかもしれない。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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