世界の歴史4 - オリエント世界の発展 (中公文庫 S 22-4)
- 中央公論新社 (2009年12月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122052536
感想・レビュー・書評
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[評価]
★★★★☆ 星4つ
[感想]
古代オリエント、古代ローマの歴史を網羅している。
多数、かつ近隣の地域を紹介している影響で各章毎に重複している内容もあるが、それは視点を変えて同じ出来事を解説しているということでもあり、各地域が相互に影響を与えていたという確かな証拠でもあると感じている。
ただし、この一冊でかなり広い地域の歴史を解説しているため、各地域の通史としては個別の通史を読まないと詳細がはっきりしないという問題があるかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館で借りた。
世界の歴史シリーズ4巻目。1巻が古代オリエントだったので、「えっ?こっちのオリエントっていつの範囲だ?」と思ったが、時代的な面では結構重複しているような印象。”地中海アジア”という視点と、イラン高原という視点で古代オリエントの初期をなぞり、アケメネス朝ペルシアからローマ帝国の支配までを範囲としている。ただしローマについての詳細は後の巻に譲る、といった形。
個人的に古代オリエントの国名、メディア・リディア・フェニキア・ヒッタイト・フリュギア…といったあたりは、やっぱりちょっと整理できていない、難しいところな印象。この本でも少しは学びを得たつもりだが…、まだまだ分かっていないと感じた。
イエス・キリストやアレクサンドロスなどの有名どころは読んでて楽しく、スイスイ読み進めた。 -
NDC209
ペルシア戦争やバビロン捕囚、アレクサンドロス大王の遠征等、諸王朝が周辺の民や地域を巻き込んで覇を争った地中海アジア。さらにユダヤ教やペルシア文明が拡がり、ヘレニズム芸術が華開いた劇的な歴史を考古学の成果をもとに詳説する。
目次
1 地中海アジアの夜明け
2 諸民族のめざめ
3 イラン高原とその住民
4 アケメネス朝ペルシアの成立と発展
5 地中海アジアの隷属
6 ヘレニズム時代の人々
7 パルティア王朝―第二イラン王朝
8 ローマの東方進出
9 サーサーン朝ペルシアの興亡
10 地中海アジアの終末
著者等紹介
小川英雄[オガワヒデオ]
1935年、神奈川県に生まれる。慶應義塾大学文学部史学科卒業後、ロンドン大学、ユトレヒト大学に留学。イスラエル、イギリスで発掘調査に従事。現在、慶應義塾大学名誉教授。文学博士。専攻は古代オリエント、ローマ帝国
山本由美子[ヤマモトユミコ]
1946年、北海道に生まれる。東京大学文学部卒業後、同大学院、ロンドン大学東洋アフリカ学院を修了。現在、川村学園女子大学文学部史学科教授。専攻はゾロアスター教史、古代イラン史。インドに移ったゾロアスター教徒であるパールシーの歴史にも関心を持つ -
古代中東の歴史です。なかなか勉強になる巻でした。
わかりやすさ★☆☆
ワクワク ★☆☆
泣ける ☆☆☆
笑える ☆☆☆
怖い ☆☆☆
感動 ☆☆☆
伏線 ☆☆☆ -
OH5a
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ペルシア戦争やバビロン捕囚、アレクサンドロス大王の遠征等、諸王朝が周辺の民や地域を巻き込んで覇を争った地中海アジア。さらにユダヤ教やペルシア文明が拡がり、ヘレニズム芸術が花開いた劇的な歴史を考古学の成果をもとに詳説する。
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世界の歴史4冊目にして、古代から中世前までのオリエント世界のお話。
主な舞台は地中海アジアで、エジプトやメソポタミアとの関連の中から始まり、しばらくしたらギリシアやペルシアが登場し、アレクサンドロスを経てローマとパルティアとなり、ローマが分裂して、キリスト教の時代に移っていくといった感じで、ダイナミックに変動する様が見てとれて楽しかった。
ゾロアスター教やユダヤ教やキリスト教の話をそれなりに細かくやってくれたのも、古代の多神教世界の中で特殊な立ち位置を感じ取る事が出来て〇
個人的には、キリスト教の興隆で排斥されたギリシア哲学を保存した、ササン朝のホスロウ一世が気になるところ。