予告探偵 - 木塚家の謎 (中公文庫 お 75-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 57
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122054561

感想・レビュー・書評

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  • まだ事件も起こっていないのに、いきなり謎を解くと予告状を送り付ける魔神尊とそのへっぽこ助手の木塚が幾つかの事件を鮮やかに解決していく。はあ、予告?なんと魔神には予言能力があるのだ。ただ、どんな謎かは分からない。とんでもミステリーのようではあるが、推理は結構まともだ。戦後すぐの話もあるし、月への移住が実現している2135年の話もあるので、あれれという感じになる。実は、魔神と木塚にはある秘密があったのだ。太田忠司は、いろいろなタイプの主人公を考えるなあ、大したものだ。

  • 前作に続き、嫌いじゃない。

  • うーん かなりタイプじゃない。キャラ と言い、ストーリー と言い色々引っかかる。

  • 面白かった。
    予告探偵という設定が気に入っていたので、
    魔神尊の正体は別にどうでも良かったが、
    いろいろなホームズとワトソンの組み合わせが楽しめて良かった。

    でも、この展開ではシリーズ化されそうにないのが、残念。
    あと、ニ、三冊書いてから、この本でも良かったのでは。

  • 「予告探偵 木塚家の謎」
    予告状を勝手に送りつけては謎を解くと宣言し、木塚を連れ回す探偵・摩神尊。しかし、摩神と木塚の間には、数奇な運命が存在する。


    摩神尊とは如何なる人物か。まずは、傲慢不遜である。何せ、見ず知らずの人にいきなり予告状を送りつけるのだ。それも、幸福を予告するのではなく、「罪ある者は心せよ」と脅迫にもとれる不吉な謎解き予告をする、さらに、彼自身どんな謎を解くのか、分かっていないのだ。全く傲慢不遜の枠では収まらない男と言える。


    しかし、次に挙げねばならないことは、頭は大層切れるということだ。探偵としては、申し分ない頭脳明晰ぶり。それに、相手を良くも悪くも引き付ける性質も相手の心理を見抜く洞察力も、精神的な図太さも兼ね備えている。もしや、名探偵と言えるかも知れない。


    そんな摩神尊が、4つの事件の謎を解いていくのが、「予告探偵 木塚家の謎」です。今まで摩神尊のことについて述べてきましたが、実は摩神尊に連れ回される木塚という人物が重要なキーになっています。


    摩神尊が謎を解くという推理要素、実は、謎だけではなく人間関係なるものも解くという意外な要素に加え、この木塚と摩神尊の数奇な運命も、非常に強烈な魅力になっています。


    実は、ちょこちょこ摩神尊がある事柄に関する伏線を張ってくれているんですね。その伏線が「木塚家の謎」で1つに結び付くんですが、その結びつきが果たして本物か偽物か分からないw


    読み終わって、「はて、本当か?」「いや、これはひっかけか?」と読者は悩んで考え想像してしまう。そんなところに主題が立ち上がってくるところもとても面白いし、やられたな、という感じですw


    突き放され、唸らされ、摩神尊にビビっとさせられる。

  • 木塚家の謎ってそういうことだったのか。

  • なんとも評価に困る。
    最大のびっくりはこれでおわり?

  • 本格ミステリの事件の謎解きに一捻りを加えた連作短編集。その一捻りがどのように来るか判別が付きにくいので、流れに釣られるとシンプルなネタでも騙されます。でも探偵の摩神の正体がありがちな設定だったことや前巻のその後の様子がなかったことが原因で、ちょっと消化不良かな。

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著者プロフィール

1959年名古屋市生まれ。名古屋工業大学電気工学科卒業。81年「星新一ショート・ショートコンテスト」で「帰郷」が優秀作に選ばれる。その後、会社勤めをしながら「ショートショートランド」「IN★POCKET」にショートショートを掲載。1990年、長編ミステリー『僕の殺人』を上梓してデビュー。2022年『麻倉玲一は信頼できない語り手』が徳間文庫大賞2022に選ばれる。

「2022年 『喪を明ける』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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