- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122058033
作品紹介・あらすじ
引きこもりの東大生、元ヤクザ、内気な女性ライター…選抜をくぐり抜けた「落ちこぼれ」たちは、ユニークな講義によって新たな視点を獲得し、過去の挫折をとらえなおしていく。そして、最大にして最後の教材は、開催地・小笠原そのものだった。その美しい自然と数奇な歴史に織り込まれた真理とは?謎のセミナー、感動の最終章へ!
感想・レビュー・書評
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前半の予想から大外れはしないものの
研修の中身(島の歴史や島民の暮らし)が
割合に重くて、ただの娯楽小説では
なかったのかぁと少し驚いた。
巻末の謝辞によれば小笠原の歴史や自然、
日本への返還前後の話は実際の話を聞きながら
書かれたものとあり、今まで知らなかった
多くの歴史に触れた。
日本への返還と言えば沖縄のことしか
考えが及ばなかったが、小笠原に
激変の時代があったこと、その歴史的背景
を受けての観光産業の在り様、
読み始めの印象とは大きく変わって
考えさせられることが多かった。
セミナー後の登場人物の変化も楽しい。
主人公が語る、今の日本ではどういう生き方だって
自由だ。でもそれと引き換えに覚悟が必要だ。
過去をなげかず、未来も恐れず。
”自分の人生が、周りにいる人々の人生の断片で成り立っているということ。そしてそれを自覚すること。”
今後は私も胆に銘じてみよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
で、下。
セミナー最後まで良心的だし。
なんか最後にウラがあってどんでん返し的な・・・・、と思ったら、いい人たちじゃないかー。
登場人物もキャラに好感が持てるし、読後の清涼感がなかなか良いです。
小笠原の歴史もよくわかります。
沖縄などとはまた違う、独自の戦中戦後の歴史があったのですね。
あと、垣根センセはやっぱ車好きなのだ。
どんな脇役(?)車両にも手を抜かず、車種や車名やなんかを描写しておられます。 -
2021年9月5日読了。
全国紙の新聞に5段抜きの広告が出る。
「人間再生セミナー」、小笠原諸島で2週間、料金は50万円(交通費、宿泊費込み)
一次選考で落ちると帰りの船で帰ることとなり、残りの日程分の料金は返還される。
休学中の大学生、元ヤクザ、定年退職した男、フリーライター他が参加する。
セミナーの内容がいい。
また、小笠原諸島という環境もいい。
小笠原諸島に住んでいる人が経験した戦前、戦中、戦後の歴史もわかる。
垣根涼介作品は名言が多い。 -
おもしろく読み進めていたのですが、最後はあっけなく…ちょつと物足りなかったです。
この研修が、彼らのその後の人生にどう生かされたのか生かされなかったのか、そのあたりがもっと深く書かれると思っていたのですが。 -
本書を読んでで、小笠原での滞在を疑似体験した感じがする。スマホで小笠原の画像を見ながら読んだので、小笠原の自然をより鮮明にイメージできた。小笠原の歴史も知ることができた。
ストーリー的には、特に心動かされるものはなかったのだが、淡々とした展開も、それはそれで読んでいて心地よかった。 -
安定の面白さ
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感想は上巻に記載しました。
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結局、小笠原諸島の歴史案内書?