- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122060067
作品紹介・あらすじ
夫の誠一郎、愛犬の茶々とともにアメリカで暮らす鈴子。病に倒れた母を見舞うため、日本への里帰りを決めた矢先、雪嵐で停電に…。雪に覆われた闇のなかで甦るのは、甘酸っぱい約束か、青く苦い思い出か。色とりどりの記憶のなかから、鈴子が見出した光とは?恋愛小説の名手があたたかく切なく描く家族の物語。
感想・レビュー・書評
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母と娘の関係って特殊なんだと思う。
勿論、鈴子と咲惠のような関係だけでは
ないのだとはおもうけど、
素直になれず逆に辛く厳しい言葉を
鈴子にぶつけてしまう咲惠。
物語も娘の鈴子目線で書かれているし
私自身も娘の立場なので
こんな母親最悪!
とおもってしまうけれど、
母親の立場から読むとまた違った
感じ方ができるのかな。
お互いに素直になれない
ラストシーンに最後はいとおしさを
感じた作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
縁結びとなった盲導犬の茶々。茶々の視点から見たらそれもまた面白そうだと思ったけど、茶々は過去の事は知らないしな…。なんだかほんわりとした温かさが残りました。
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主人公の女性は、全盲の夫とアメリカで暮らしています。母の具合が良くないと聞き、日本へ行く事にしますが、折悪く記録的な大雪で街から出る事ができません。停電も発生しやる事もなくぼんやりと過ごす彼女の脳裏には母との不毛な言い争いや、一時恋と感じた男性との忘れがたい一時の事でした。
親と子の関係性についての本です。愛憎入り乱れて顔も見たくないと思いながら、やはり心の拠り所にしてしまう。恋や愛なんてものにかまけている時には特に疎ましく感じるものです。 -
母と娘って上手くいかないんだよね…と妙に納得。会いたいけど会いたくないという気持ちが雪で閉ざされてどんよりしている感じや、停電してバタバタハラハラしている心境とかですごく伝わってきた。心が落ち着かない感じ。考えなくなくてもバタバタしている間にふと浮かんでしまうような。それでも何にかのタイミングで母の本当の思いとか今まで気づけなかったものにハッとさせられたりするのかな
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小手鞠さんの恋愛小説と思って読み始めたけど、母と娘、家族の話だった。アメリカの田舎暮らし、若い日の激しい恋愛などは小手鞠さんらしい。
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初るい。好きな作詞家さんオススメ。装丁が素敵で、タイトルもいいなぁと思い購入。鈴子の過去の話でこうゆう甘酸っぱい学生時代の淡い恋愛って、やっぱ女性にしか描けないよなぁと思いました。花言葉ならぬ、くだもの言葉(夏みかん=母の愛、母の怒り など)を言い合っている、夫婦の姿はとても微笑ましい。ただ6章に入り、鈴子嫌いだわーって。こんな自分勝手な女、ホント嫌。イライラする!また隆史も隆史で家庭がありながら・・。5章までは割りといいなぁと思っていただけに残念。
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一番話をするし、一番頼りにしているのに、たま~にすごく嫌だと思うのが母。この話を読んでいてなんとなく共感してしまうところがありました。
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親子でありながら、愛情ゆえの葛藤に傷付き傷付けている。
それでも親子。 -
母と娘には不思議と確執がある。
母を受け入れられない娘と娘についうるさく憎まれ口を叩いてしまう母。
互いにわかっているけど、なんとなく歩み寄れない二人。
でも、やはり母娘なのだと思う。
ふと自分と重ね合わせてしまう瞬間があった。
2015.9.6