おふくろ八十六、おれ還暦 (中公文庫 ね 3-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 13
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122060081

作品紹介・あらすじ

還暦を迎えたら、無理をすることが大切である。初めてのタカラヅカに圧倒され、ジュリーの還暦コンサートでロックし、深夜に娘と二人カラオケ。そんな、人生の後半戦をジタバタしていたある日、母が病気になった。介護のために母の家へ通い、二人で過ごす時間。私は母のためにある決意をする-。

感想・レビュー・書評

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  • 還暦を迎えきりりと鉢巻きを締め直すかのような著者と、いよいよ介護が必要になった老母のことなど。

    これまで、老母と中年の娘といった関係の物ばかり読んできて、切羽詰まり、ある時は母を憎み、自分も体調を崩し、やっと見送ってホッとする…という本が多かったので、男性はやはり少し違うなと思ったのだった。

    まずは、前向きなご自身の還暦生活だが…
    (やっぱり団塊の世代はたくましいですね)
    初タカラヅカで大いにはまったり、還暦のジュリーのコンサートを2回にわたってエッセイに物したり、俳句を始めて夫婦共通の楽しみを見つけ、娘さんから深夜のカラオケに誘われて、親子ながらお互いに気を使い合って絆を深めあったり。
    詩人らしく、阪田寛夫、まどみちお、谷川俊太郎といった方々に関するお話、地元の商店街の今昔など、内容がバラエティーに富んで面白い。

    しかし、後半に行くにしたがって、老いて行く母親の話が増える。
    それもいたってカラッと書かれているのだが…
    気が強く、「自分でやらないとボケる」と言い張り、ベッドからトイレに手押し車で往復するまで30~40分、タオルやセーターをたたむのに1時間…
    針の穴に糸を通すのに30分以上、朝起きてから着替えるまでに3時間。
    それでも、手を出せば怒るので見守るしかない。
    気が長くならざるを得なかった著者であるが、時々はイライラするらしかった。

    ただ、『還暦を過ぎたら無理をしなくては!』と頑張る著者と『やれることは自分でやる』といって介助をこばむ老母と…少し離れてみればそっくりではないかと思ったら微笑ましかった。

    ただ、著者は母親と同居はしておらず、通いである。
    一番ストレスをためているのは2世帯で同居している弟さんの奥さんなのではないかと思った。書かれていないけど。

    ちょっと余裕をもって接することが出来るのはやはり、ちょっと離れていられるからなのだろうな、と思ってしまう。
    この本の読み方はそこではないと分かってはいるけれど。

  • 谷川俊太郎、点々句会、富士真奈美、吉行和子、水野真紀、

  • 淡々としてるけど、なんだかおかしい
    そして今頃気づく
    うちの父も86だった
    あたしは還暦じゃないけどね

    帯でびっくり
    先の話を…
    気になるから次も買うけどさ

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著者プロフィール

ねじめ正一
1948年東京都生まれ。詩人、作家。 
詩集『ふ』(櫓人出版会)でH氏賞、『高円寺純情商店街』(新潮社)で直木賞、『荒地の恋』(文藝春秋)で中央公論文芸賞、『商人』(集英社)で舟橋聖一文学賞、『まいごのことり』(佼成出版社)でひろすけ童話賞、『ひゃくえんだま』(鈴木出版)でけんぶち絵本の里大賞びばからす賞を受賞。
主な児童作品に『ぞうさんうんちしょうてんがい』(くもん出版)、『ずんずんばたばたおるすばん』(福音館書店)、『みどりバアバ』(童心社)など多数ある。

「2022年 『たんていベイビー きえたヤギのおばあさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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