ゆら心霊相談所 - 消えた恩師とさまよう影 (中公文庫 く 23-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 126
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122062801

感想・レビュー・書評

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  • 幽霊が見えるだけの少年と、幽霊の声が聞こえるだけの心霊相談所を営む訳アリシングルファザーのお話。
    見えるけど声は聞こえない。
    声は聞こえるけど見えない。
    それぞれの役割が確立していて、それぞれだけでもある程度対処出来るが2人いれば一気に片づけられるという関係性が良いと思いました。
    そんな2人に関わる娘の珠子も可愛くて、少年に懐く姿が本当に微笑ましい。娘のために慣れない家事を頑張るお父さんも良い。3人で一緒にいるの大好きだ。
    読み味は軽めなのでスラスラ読め、軽めの(読み終わった後疲れた感じにならない物)出来ればシリーズ物を読みたいって思っていた時に見つけたのでピッタリだと思いました。
    3巻まで一気に読みましたが、これからも続いていきそうなのでこの後も追っていきたいと思います。

  • 初めて読んだ作家さんだったし、表紙はイラストでライトノベルっぽいけれど、メリハリがある展開で楽しかった。
    ギフトもそうだったけれど、幽霊が見えることに悩む主人公っていう展開はなんだかんだ楽しくて好きなのです。
    由良さんもテキトーな雰囲気があるものの、無礼や横暴ではなく優しさもあってそこがとてもいい。
    珠子ちゃんが可愛い。
    憎めないキャラクターが多く、嫌な気持ちにもならず、ほんわかしつつ楽しめる。
    来年新刊が出るので楽しみです。

  • 幽霊も怖いけど、結局生きてる人間の方が怖いよね、って気持ちになるお話。特に1話目。主人公の尊くんもなかなかイイコだし、読みやすくて楽しめた

  • 「消えた恩師とさまよう影」
    勘違いからはじまった。
    普通でない特殊な者というのは皆が共感出来ないから除け者などにされやすいだろうが、本人が話したり何かしら原因を作っていないのに噂として話すのは酷い仕打ちだな。
    自らの容姿に自信を持ちすぎた結果なのか分からないが、他人の想いを利用するなんて最低な事だな。

    「啼いた花器」
    ある日を境に蔵から。
    片付けや修繕の際に対となりうる物と離れてしまったのかと思い相手を探すのが普通だと思うが、まさか捉え方の根本が違っていたなんて思いもよらない結果だったろうな。
    魅入られてしまったからとはいえ、相手の承諾も得ず勝手になど何においてもしてはいけない事では。

    「泥の騎士」
    見張りすらおかない。
    偶然に起こった全ての状況を上手く利用し事を運んでいたのだろうが、娘の安否を気にする素振りはしていたけれども本心はどうなのか少し気になるような結末だったな。
    お互いに想いをしっかり話し合っていれば、あの様な事も起きず平和にすんでいたのかもしれないな。

  • 下車した駅で知り合った、家事能力皆無そうな男性。
    彼の職業は、他称何でも相談所。

    1話目、主人公のいじめ。
    2話目、泣いている女性の花器。
    3話目、泥の中から死体がこんにちは。

    そうそうここまで凄い女性がいるとも思えませんが
    全てを握りつぶすとか、どうにかするとか凄すぎる。
    しかしその後で分かった相手も凄すぎる…。
    楽な方へ流れたら、という感じでしょうか?
    これのどこが良かったんですか? と、今現在から
    過去までの女性に聞きたい。

    だからと言って、人を嘘つき呼ばわりとか
    不誠実な対応はどうかと思います、な2話目。
    どうしても駄目な方向へと考えてはしまいますが
    今まで築き上げたものがあるのですから
    頑張りましょう。
    とはいえ、臆病になるのが、人間です。

    3話目は壮絶、としか言いようがないです。
    それでもこれだけの性格になれた彼が
    素晴らしいと思います。
    反面教師がいたから、でしょうか?
    いやでも元凶はあっちですが。
    そして娘さん。
    そこまで思い詰めるほど、父親からの愛情は
    なかったんだな、という悲しい現実。

  • 通学中に誤って電車から降ろされてしまい、迷い込んだ「相談所」で相談したのは……。心霊的な内容も含みますが、現実のミステリ的な話も同時進行したり、面白かった。なにより少女がかーわいい!でも、五歳くらいかと思ってた……(^^;おすすめです。

  • 霊が視える尊くんと霊の声が聞こえる蒼一郎さんが、霊が絡む事件を解決していくお話。最後の話だけ、大事な人なのに、そんなことで殺そうとし、あげくその後もほったらかしってのが、ちょっと気になってしまったんですけど、全体的には、読みやすく、なかなか面白かったです。蒼一郎さんの包帯の謎、気になります。

  • 元弁護士の訳ありシングルファーザーと、「視えちゃう」男子高校生のコンビが、失せ物捜しから誘拐事件までなんでも解決。ほんわかホラーミステリー。

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著者プロフィール

九条菜月
八月一一日生まれ。『ヴェアヴォルフ オルデンベルク探偵事務所録』にて、第二回C★NOVELS大賞特別賞を受賞し、デビュー。
主な著書に「ゆら心霊相談所」「洋菓子店アルセーヌ」「私の彼は腐ってる」シリーズがある。

「2023年 『華国神記3 終わりし神の残影に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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