SROVII - ブラックナイト (中公文庫 と 26-37)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 386
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (545ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122064256

作品紹介・あらすじ

新宿の闇金業者殺しの現場から、亀戸で遺体となって発見された少年の指紋が見つかった。SRO室長・山根新九郎は、法歯学の調査により少年の発育に遅れがあったことを知る。同じ頃、東京拘置所特別病棟に入院している近藤房子が動き出す。担当看護師を殺人鬼へと調教し、ある指令を出した。そのターゲットとは-。

感想・レビュー・書評

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  • いきなり子どもの虐待と主婦の介護地獄の詳細な描写で、うわっと思うし、シリアルキラーの近藤房子が捕らわれに身になりながら好きなようにしているし、なんでこんなエグイのを好んで読んでいるのかと我ながら思ってしまう。それでも本を手放さずに読んでしまうのは、こういうのも人間の実相のひとつだと思うし、SROのメンバーの人間らしさに惹かれるからかもしれない。少年ギャング団の振る舞いは恐ろしいが、結構浅はかにも描かれている。

  • SROシリーズ7作目。
    今作では児童虐待を受けていた少年少女が絡む殺人事件と拘置所内の病院で治療を受ける近藤房子の話が平行して進んでいく。

    相変わらず起きる事件は凄惨だけれど、背景には「育児放棄」や「在宅介護」の問題が関係しており、弱者が生きるため自分を守るために悪者にいいように利用されてしまう過程は読んでいて辛かった。
    少年少女の犯罪に絡み尾形一家の問題も大きく動いたが今後どうなるか。いい方向に収束するといいな。

    近藤房子は目的遂行のために他者の弱みにつけこみ懐柔、容赦ないし本物のシリアルキラーだわ。また房子の暴走が始まる予感。SROチームは大丈夫かな。
    終盤、色々動いたところで終わってしまったので次巻が気になる!

  • シリーズ7作目。
    メインストーリーは、親の虐待などで家族からはぐれた子どもたちと、彼らを利用する極悪な大人との犯罪物語。
    そこに房子の不穏な動き…ということで、本編は次巻になりそう。

  • 富樫倫太郎『SROVII ブラックナイト』中公文庫 。

    シリーズ第7弾。シリーズ最高傑作と言って良いくらいの奇抜で起伏に富んだストーリーだった。タイトルの『ブラックナイト』は、日本語だと『闇夜』なのだが、本作にはまさにぴったりのタイトルだと思う。ネグレクト、高齢者問題、家庭崩壊、闇金融と現代社会の闇とSROのメンバーの抱える闇の部分とが交錯しながら物語は展開していく。

    冒頭から母親とその同居人に虐待、育児放棄された子ども・四郎の物語と、あの稀代の殺人鬼・近藤房子に意のままに操られていく東京拘置所医務部の看護師・石塚美和子の物語とが同時進行する。そして、新たな殺人鬼・ダーとマムが登場するという驚愕の展開…

    結末からすれば、今後もシリーズは続きそうだ。楽しみはまだまだ続く。

    • バス好きな読書虫さん
      私もあと少しで読み終わります。
      SRO、少し間が空きましたが、今作も息を飲む展開ですね。クランも面白かったですよ!
      私もあと少しで読み終わります。
      SRO、少し間が空きましたが、今作も息を飲む展開ですね。クランも面白かったですよ!
      2017/07/23
  • 警視庁広域捜査専任特別調査室=SRO
    シリーズ7

    今回もおもしろかったのだけど…
    ネグレクトやら子供が関係しているとどうしても胸が痛くて読む速度が遅くなってしまう…

    新宿の闇金殺しの現場から発見された子供の指紋。残虐な殺人事件に子供が関係している!?捜査を進めていくうちにネグレクトの子供たちが浮上してくる。一方近藤房子は新しく自分の手足になりそうな人物を見つけ…

    SROメンバー!!
    どうなっちゃうの~!
    ハリー!
    尾形さん~!
    そして麗子さん~!

    さらに、近藤房子が再始動!
    続きが気になりすぎる終わり方~

    次回が楽しみすぎる!

  • エピソード0に続いて読んでみた。今回もドラマ『24』みたいに人がたくさん殺されていく(内容的には異常犯罪とかで『クリミナル・マインド』寄りか)。児童虐待と介護に苦しむ看護婦(房子がらみ)、SRO職員の個人的問題で物語は進んでいく。その先どうなるかでページがあっという間に進んだ。子供の虐待とか目を塞ぎたくなるようなことばかりだったなあ。そして房子さんで続けるのかなあ。そう簡単に逃げれたものかなってて思うんだけれど。ま、強烈だな。
    1から読んでないので詳しくは知らないが、SRO?なんだろねっていうのが(FBIみたいなもんっていうらしいけど)。

  • シリーズ第7弾。
    稀代のシリアルキラー・近藤房子が逮捕されても、さらなるシリアルキラーは出現するし、近藤房子は拘置所の中で、自分の後継者を育てようと画策したり、まだまだSROメンバーの安らかな日々は訪れそうにもない。
    房子が逮捕されてから、確か2、3作出ているはずだが、そんなに時間は経っていない設定らしく、今作でやっと麗子の包帯が外れたところ。
    ある日、亀戸で発見された少年の遺体から、少年少女が連続殺人事件に関わっていることに気付く。
    彼らを追う山根たちだったが、房子も密かに反撃の機会を伺っていた…
    児童虐待の子供たちを、犯罪に利用する大人や、房子の担当の看護師の美和子が殺人に手を染めてしまう背景にある介護の問題など、事件の方にも現代社会の闇が描かれ、いろいろと考えさせられる1冊でもある。
    そして、ラスト!
    次作はまた房子との対決が予想され、すごく楽しみ!

  • シリーズ7作。平然と残虐な行為や殺人を犯す親に虐待された子供たちが尾形家に襲い掛かる。一方で収監中の房子が看護師の美和子を殺人鬼として調教する。前者は解決したが房子は脱獄に成功、シリアルキラーが再び野に放たれる…。正月休みと出張の車中で7作を一気読み。残るは房子の過去を描いた番外編episode0のみ。

  • 面白かったー。看護師さん家族のその後とかも気になるけど…。あと、子供達一人一人の事ももっと深く書いてほしかった。最後は一気にバタバタと終わった感じ。いくらなんでも解析早すぎないかな?近藤房子はまた外に出るのね。早く続き読みたい。

  • SRO警視庁広域捜査専任特別調査室
    シリーズⅦ

    今回は、いつもと少し違って、
    ネグレクト。虐待。のお話が、出てきました。
    そこから、
    いろいろな話が繋がって、
    近藤房子に、たどり着く!!
    すごい!!
    またまた、
    次回作が楽しみです。

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著者プロフィール

1961年北海道生まれ。98年に『修羅の跫』で第4回歴史群像大賞を受賞しデビュー。以降、時代小説や警察小説を中心に活躍。本書はドラマ化もされた「生活安全課0係」シリーズの主人公・小早川冬彦が、警視庁本庁から日本各地へ活躍の場を広げていくシリーズ第2弾。著書に「SRO 警視庁広域捜査専任特別調査室」「スカーフェイス」「警視庁SM班」などのシリーズ他多数。

「2023年 『スカイフライヤーズ 警視庁ゼロ係 小早川冬彦Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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