武揚伝 - 決定版(上) (中公文庫 さ 45-11)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 106
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122064881

作品紹介・あらすじ

黒船来航で浮き足立つ幕末。海軍伝習所を経てオランダ留学を果たした榎本釜次郎は、観戦武官としてデンマークとプロシアの近代戦争に臨場し、欧米列強を動かす国際法という存在に驚愕する。
佐々木譲、畢生の歴史巨篇ついに文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • 本書で榎本釜次郎という人の存在を初めて知りました。
    この時代の武家社会の身分制度の中で生きてきて、近代西洋式のある意味では自由で平等な様子を見た時の衝撃は想像以上のものだっただろう。
    とはいえ欧米諸国はバタビアで一部描写されていたように植民地ではもっと酷い階級制度を使っていたはずですけど。
    意外だったのは勝海舟。豊かな知識と旧来の常識に捉われない先進的感覚で大政奉還を推進した人物をイメージしていたのに、少なくともここまでは口先だけの我儘な政治屋みたいな扱いになっている。彼の存在がこの先どうなっていくかも楽しみの一つです。
    それにしてもまだ1/3とは、かなりの大作ですね。

  • ■2019/01/22読了。500ページ。
    ■釜次郎(榎本武揚)5歳の時から、北海道1周の船旅をして、長崎の海軍伝習所の伝習生となり、オランダに留学して、帰るところまで。
    ■勝海舟が要領がいい人物として表現されているのが面白い。(好意的な書き方でない)
    ■おたえとの出会いがペーソスになり読み易い。
    ■北海道に居住する人間としては、北海道1周の旅の様子が興味深い。

  • 文庫で、三巻。(上)は、榎本武揚(まだ釜次郎)が開陽丸に乗って、オランダを出発する所まで。勝海舟(まだ麟太郎)が嫌な奴に描かれているのも、印象的。
    幕末に早くも留学し、海外と日本の差異を見る。自分のしたいことと、時代が自分に求めていることを、考える。
    いつの時代も、置かれた状況や立場が違っても、畢竟、悩むのはそこである。

  • 【作品紹介】
    黒船来航に揺れる幕末。榎本釜次郎(武揚)は、幕府要人の蝦夷地視察に随行した後、新設の海軍伝習所に入所。操船、蒸気機関等の技術や語学を研鑽し、オランダ留学を果たす。欧州の地で近代国家間の戦争を目の当たりにした釜次郎は、日の本と隔絶する列強諸国の有り様に驚愕する―。新田次郎文学賞受賞作を全面改稿した決定版、待望の文庫化!

  • 海軍伝習所を経てオランダへ留学した釜次郎は、観戦武官としてデンマークとプロシアの近代戦争に臨場し、己が国と欧米列強とのあまりの格差に驚愕する!

  • 榎本武揚の幼少期から30歳頃まで。
    難しい内容のはずなのに、わかりやすくて、面白い。

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著者プロフィール

1950年北海道生まれ。79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。90年『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を、2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞、10年『廃墟に乞う』で直木賞、16年に日本ミステリー文学大賞を受賞。他に『抵抗都市』『帝国の弔砲』など著書多数。

「2022年 『闇の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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