- Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122065659
作品紹介・あらすじ
銅山経営のため南米ペルーに渡るが……。日本財政の守護神と称えられた明治人の、破天荒な生き様と足跡が語られる。高橋是清(1854~1936)安政元年(1854)、江戸・芝露月町の幕府御用絵師の家に生まれ、生後間もなく仙台藩士の高橋家の養子となる。慶応三年(1867)、藩命によりアメリカ留学。明治六年(1873)文部省に出仕し、その後、農商務省特許局長などを務める。明治二十三~二十四年にかけてペルーに渡り鉱山経営に携わるも失敗。帰国後、日本銀行に入り、日露戦争時は副総裁として英米にて戦時公債の募集に尽力。その後、日銀総裁を経て、大正二年(1913)、立憲政友会に入党。第一次山本権兵衛内閣蔵相、原敬内閣蔵相を経て大正十年、内閣総理大臣に就任、政友会総裁を務める。昭和二年(1927)田中義一内閣蔵相として金融恐慌の沈静化に手腕を発揮。その後も、犬養毅内閣、斎藤実内閣、岡田啓介内閣で蔵相を務めるが、在任中の十一年、二・二六事件に倒れる。
感想・レビュー・書評
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今もそうなんだろうと思うけど、好奇心とか志とかに素直に従って行動すれば何でも経験できる、どんなものにでもなれるんだなと実感する。幕末、維新、明治の雰囲気が少しわかった。下巻で進む時代を読むのが楽しみ。
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高橋是清といえば、歴史の教科書において総理大臣経験者で二・二六事件の被害者と知るのみだったが、この自伝を読むことで随分と印象が変わった。
ペルー銀山での失敗までが描かれており、随分とヤンチャな少年時代から放蕩時代の話に至るまで、およそ総理大臣になる者の生き様とは思えないようなものばかりだった。
とはいえ、時代の流れを自分なりに見極め、国を良くするためにどうすれば良いかを考えながら生きており、その発露が些か破天荒な結果を招くだけなのだとよく分かった。 -
日記、手帳、往復文書などの資料。聞き取りからの自伝。貴重な自伝だ。
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高橋是清は政治家だから当然、脚色もあるのだろうが、次から次へと話が展開していく。事実は小説よりも奇なり。目まぐるしく動く時代の息吹が感じられる話です。
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日本財政の守護神と称えられた明治人の足跡。海外を流浪した青年時代、帰国後大蔵省に出仕するも飽きたらず、銅山経営のため南米に渡るまでを綴る。