新・東海道五十三次 (中公文庫 た 13-10)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122066595

作品紹介・あらすじ

江戸時代、京都まで徒歩で十三日間掛かった東海道五十三次の旅。時は、一九六八年、妻・百合子夫人の運転する車の助手席に乗り込み、東海道を何度も行き来しながら、作家が見た風景、考えたこととは。名所見物や名物の楽しみ、歴史的考察を交えつつ綴る弥次喜多夫婦道中記。

感想・レビュー・書評

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  • 東名高速完成前の東海道を夫婦二人クルマで旅する珍道中。一応小説とのことであり脚色もあろうが、正に「富士日記」の二人のやりとりが楽しめる。

    実際に何回かに分けて東海道を旅しつつ執筆したという毎日新聞の連載小説。本文には登場しないが実は編集者も後部座席で同行していたという。創作を交えつつも楽しい紀行文となっている。

    あの「富士日記」マニアには共通するエピソードも多く、文体も似ており、きっと楽しめることだろう。

  • 「企業藩の時代」って言葉いいなあ

  • 武田泰淳 武田百合子 「新東海道五十三次」 夫婦の東海道ドライブ旅行記。夫婦の幸せな日常を細かく描写した私小説風。

    旅した土地を取材するというより、その土地で著者が目付けしたもの、それに対する奥さんの反応〜夫婦の日常の滑稽な会話を記録している感じ。

    子供が大きくなってからの 夫婦の幸せとは こういうことなのかもしれない。再読したい

  • 妻の運転でたどった五十三次の風景は――。自作解説「東海道五十三次クルマ哲学」、武田花の随筆「うちの車と私」を収録した増補新版。〈解説〉高瀬善夫

  • 武田泰淳のエッセイは軽妙で面白おかしいものが多いが、本書はその到達点ではないだろうか。
    自家用車で旅行といっても、この当時のそれは随分とのんびりしていて、風情がある気がする。何しろ東名高速が全線開通とか何とか言ってる時代の話だものw
    ※当たり前だが、『新』東名ではない。
    それにしても、序盤で、『女のドライバーはどうもなぁ』とくさしておきながら、いざ車を買って百合子夫人に運転を任せてみると、あっという間に手のひらを返す辺り、武田泰淳、色々と面白い人であるw

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著者プロフィール

武田泰淳
一九一二(明治四十五)年、東京・本郷の潮泉寺住職大島泰信の息子として生まれる。旧制浦和高校を経て東大支那文学科を中退。僧侶としての体験、左翼運動、戦時下における中国体験が、思想的重量感を持つ作品群の起動点となった。四三(昭和十八)年『司馬遷』を刊行、四六年以後、戦後文学の代表的旗手としてかずかずの創作を発表し、不滅の足跡を残した。七六(昭和五十一)年十月没。七三年『快楽』により日本文学大賞、七六年『目まいのする散歩』により野間文芸賞を受賞。『武田泰淳全集』全十八巻、別巻三巻の他、絶筆『上海の蛍』がある。

「2022年 『貴族の階段』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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