雨上がり月霞む夜 (中公文庫 さ 84-1)

著者 :
  • 中央公論新社
3.84
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本棚登録 : 361
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122071384

作品紹介・あらすじ

堂島で紙油問屋を営んでいた上田秋成は大火によって焼け出され、幼馴染の雨月が結ぶ香具波志庵に転がりこんだ。がさつだが情に篤い秋成と、死者や妖しと交流する力を持つ雨月。二人は言葉を話す兎「遊戯」との出会いをきっかけに、不可思議な出来事の数々に巻き込まれることに――。

掛け軸から飛び出す金鯉、哀しい恋物語に、罪の果てに鬼になった男まで。二人と一匹がたどり着く、優しく切ない真実とは。

直木賞作家が江戸怪奇譚の傑作『雨月物語』を大胆に解釈した、切なく幻想的な連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 上田秋成を主人公とした物語。いやその友の雨月と妖の兎の遊戯が視点の中心になっているかな。その辺が最後のどんでん返しに繋がっていくのだけれど。様々な怪しい出来事に3人は遭遇し、それが後に雨月物語になっていく。ふーんと思いながら読んでいくと最後にそれらの物語が意味を持って輝いてくる。なるほどなあ、西條奈加さん、上手いなあ。自分とはなにかとちょっと考えさせられたよ。

  • 祝文庫化!

    雨上がり月霞む夜 (中公文庫 さ 84-1) | ダ・ヴィンチWeb
    https://ddnavi.com/book/4122071380/

    雨上がり月霞む夜 -西條奈加 著|文庫|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/bunko/2021/11/207138.html

    雨上がり月霞む夜 -西條奈加 著|単行本|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/tanko/2018/11/005139.html

    ーーーーーーーーーーーーーーーー
    実は単行本のカバー画も好きだったりする(矢野恵司)。
    文庫(朱華)の方が一般受けしそうではあるが、、、

  • 有名な雨月物語
    脱稿から刊行までの空白の8年間
    諸説あるものの謎である…らしい

    秋成と雨月、話す子兎と共に雨月物語になぞらえた9編の怪異話
     
    西條奈加さんが創り出した空白の8年の物語
    流石です西條奈加(^^)
    やはり暖かく、心に沁みる…

    昔々、雨月物語がこんな風に作られたなら素敵♪

  • まともに読んではいないが、雨月物語を題材にした作品。
    それぞれの話は不思議な世界観とを醸し出している。
    最後に物語全体の謎が解けます。
    解説を読んでなるほどと思った。元の雨月物語も読んでみたいと思います。

  • 小説BOC創刊号(2016年春号)〜9(2018年春号)掲載の9つの連作短編を2018年11月中央公論新社から刊行。2021年11月中公文庫化。雨月物語の作者上田秋成を主人公にしたファンタジー。紅蓮白峯、菊女の約、浅時が宿、夢応の金鯉、修羅の時、磯良の来訪、邪性の隠、紺頭巾、幸福論、の9編。面白そうな設定と雰囲気で、最初から提示される謎もあり、わくわくするが、展開に工夫がなく、楽しめなかった。

  • 雨月物語の生まれた時間だろうか、こんな風に作れるものか。出だしから不思議な感じでしたが、雨月が実在していないのは分かったけど何者かが分からず、しゅうせいがお前自身だと聞かされて、なるほどそうなのかというか、だいぶ捻っているし。一人芝居だろうか、えっでもなぁ子ウサギがいたし、本当に不思議。違う西條奈加さんに触れたかな、昨年の受賞から物凄い勢いで出版して物凄い勢いで購入して追いつかない。最初に善人長屋で、そこからだもん

  • 良かったー!
    雨月物語の世界観。
    物語の主人公ふたりはもちろん
    兎もよかった。

  • 雨月物語を題材にした物語。
    なるほどーと、面白かった。
    あくまでフィクションなんだけど、つい「本当にこうだったのかな」と
    錯覚してしまうほど。
    「遊戯」が可愛い。

  • 最後であっと驚いた。
    「雨月物語」に触れた事がないので、調べてからもう一度読むと、更に物語を楽しめる気がする。
    兎の遊戯が可愛くて好き。

  • 相手が物の怪だろうが真摯に会話し真摯に受け止める秋成。そんな秋成が雨月物語を書き上げます

    昔物語は物の怪が一杯。今より死は身近で、そんな身近な人への想いが沢山の物の怪を生み出していたんだろうなあ

    難しい文章は斜め読み。それでも秋成の雨月への想いも、別れの哀しみもしっかり胸に届く物語でした

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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