新装版-桃花源奇譚4-東京残桃夢 (中公文庫 い 92-31)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 86
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122072558

作品紹介・あらすじ

「これより、桃花源へ、お連れいたしまする」。仙人・崔秋先の導きにより、一行は遂に幻の郷へと辿り着く。しかしそこに不死の力
を求める皇后の配下も現れて――。悠久の時を見守る桃の老木の下、戴星たちの最後の戦いが始まる。中華歴史ファンタジー、大団円の最終巻!〈全四巻〉

感想・レビュー・書評

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  • 旅は終わり。
    新しい旅が始まる。

    まさに王道! 読んでいて楽しかったですね。

    去るもの、残るもの。それもまた人生。
    良きかな、良きかな(^^)

  • 文曲星と武曲星が落ちてきて人になり王たるものを選ぶってのは向こうからしたら割と王道の話なのでしょうかね。なんとなく観音様が人として顕現して衆生を救いに来るダライ・ラマみたいなものを思い出す。
    前巻で「星だかなんだか知らないが生まれつき決められた人生でいいのか」と戴星の言葉にちょっと同意するのでそこだけ好みではなかったけれど、まあ話の流れ的に仕方ない。
    人間が多すぎてちょっと疲れはしたかなとも思わなくはない。正直宦官や女官に関してはほぼ記憶に残っていなくて混乱したりもした。

    ともあれ、文句のつけようもない大団円!玉堂が死にませんようにと祈りながら読んでいたけど案外タフで良かった。
    きっちり結ばれてノロケモードになっちゃった史鳳かわいいなあ。確かに、あの顔の影がなければ彼女は今も妓楼にいて希仁を探すこともなかったかもしれない。苦労はしたけど結果オーライ。
    育ての親が時にズケズケ時にしたたかに、信ずるに足る愛情を持ってすくすく育てたからこそのこの戴星である、ということがしっかり納得できる描写があるのは意外に最近読んだ作品にはあまりなかった気がするので、腹落ちする説得力って大切だなあという気持ちがありました。
    育ての親だけでなく李妃もまた、なるほどこの親にしてこの子ありだと納得。狄妃も含め親子揃ってひとクセふたクセある玉堂をあれよあれよと味方につけちゃう抗えない強さ高貴さときたら。「ああなるほどこの人ならそう判断されるに足るな」「玉堂も玉堂で簡単にはなびかない面倒な人間にきちんと見えてくるし、この男が素直に従うということはかなり大変なことに見えるな」という積み重ねの描写って本当に大事だなって。
    帝もそこまで愚かではなくとも悔恨の言葉もあり、劉妃もまた愚かな女ではあったものの、引き際は見事で、後味が徹底して良かったのは嬉しかった。帝はもうちょい罰を受けても良さそうとは思うが。
    余韻をたっぷり取ってキャラクターたちへの別れを惜しみつつのエンディングが長めの作品好きなのでそこも良かったです。
    甘えあいたくないからこそ一度殿下と別れますという潔い希仁も好きだし、愛はあっても籠の鳥になることをよしとせず男の庇護はいらんと蹴って一人で生きる決意を持った宝春も好きだなあ。
    今は別れても必ずこの道はまた交わるという確信に満ちた希望のある終わりで本当に読めて良かったです。

  • 大切な人を探す旅から
    大切な全てを守る未来へ。

    壮大で困難な彼らの旅路に夢中になった。
    未来を決意した彼らが眩しくて、目が離せなくなった。

    最高の本だった。

  • 遂に辿り着いた幻の郷・桃花源。しかしそこに不死の力を求める仇敵も現れて――戴星たちの最後の戦いが始まる。中華歴史ファンタジー、大団円の最終巻!

  • 遂に桃花源にたどり着く。桃の老木の下での、最後の戦い。戴星は、母を連れて桃花源から戻れるのか?
    戴星が桃花源で経験した仙術の戦いは、その後にどのような影響を与えたのだろうか?
    歴史とファンタジーが渾然とした物語だ。

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著者プロフィール

井上祐美子
姫路市生まれ。神戸大卒。『長安異神伝』『桃花源奇譚』
などで人気を博した後、本格的な中国歴史小説に取り組み、『桃夭記』で吉川英治文学新人賞候補となる。『五王戦国志』『非花』『海東青 摂政王ドルゴン』『臨安水滸伝』『公主帰還』『紅顔』『朱唇』『青天 包判官事件簿』ほか著作多数。

「2022年 『新装版 桃花源奇譚4 東京残桃夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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