絵葉書のように (中公文庫 た 15-13)

著者 :
制作 : 武田 花 
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 98
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122073418

作品紹介・あらすじ

『単行本未収録エッセイ集 あの頃』から、「武田泰淳との思い出」「歩く」「食べる」、三つのジャンルのエッセイを厳選。夫亡き後の長い時間のなかでゆっくりと発酵した夫や友人たちへの思い、街を歩き、見たもの、食べたもの、感じたことをそのまま、はっとするような文章で切り取ったエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 武田百合子の愛した服。知とファッションの関係 | 【GINZA】東京発信の最新ファッション&カルチャー情報 | FASHION(09 May 2018)
    https://ginzamag.com/fashion/yurikotakeda-fashion/

    絵葉書のように -武田百合子 著/武田花 編|文庫|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/bunko/2023/03/207341.html

  • 単行本(『あの頃』)で読んだときには日記ほどのすごさを感じられず、さらさら読んでしまっていたが、改めて読むと見落としていた良さがたくさんあった。夫や作家仲間の不在が文章の節々に溶け込んでいて、胸がしめつけられる。そして百合子さんももういない。

  • 著者晩年の、単行本未収録エッセイを娘さんが文庫本用に編みなおしたもの。三章に分かれている。「Ⅰ 思い出—武田泰淳と暮らした日々」には夫とのささやかで時々派手な生活が、交流のあった作家たちの姿とともに書かれている。「Ⅱ 歩く」は自宅周辺から佐渡や海外まで著者が見て歩いた人とものが静かに綴られる。「Ⅲ 食べる」はささやかな食卓を共に囲む人々が書かれ、夫と娘の存在感が一際強い。どれもなんということのない瞬間が書かれているのに、読み手の気持ちを穏やかにしてくれる、てらいのない文章。

  • 鮮烈で闊達で自由。失われていく昭和への哀切な思いが、それらを完全に失った私たちへも響く。

  • 武田百合子の没後にまとめられた単行本未収録エッセイ集「あの頃」より54編を選んだより抜きエッセイ集。前半は主に夫の武田泰淳や交流のあった文人たちの思い出を語ったもの、後半は土地や食べ物に関するものという構成。
    どれも良いけど、やはり前半の思い出話が好きだな。武田百合子の目を通して描かれた武田泰淳や埴谷雄高などが愛おしい。特に武田百合子の書く埴谷雄高が本当に良くて、病床の竹内好の元へ毎日見舞いに行く姿や武田百合子から泰淳が末期の膵臓癌であることを聞かされ慟哭する姿とか「尊い」としか言いようがない。

  • 単行本未収録エッセイ集『あの頃』から、夫・武田泰淳や友人たちとの思い出、街歩き、旅、食べ物などについて綴ったエッセイ五十四編を厳選し、収録する。

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著者プロフィール

武田百合子
一九二五(大正一四)年、神奈川県横浜市生まれ。旧制高女卒業。五一年、作家の武田泰淳と結婚。取材旅行の運転や口述筆記など、夫の仕事を助けた。七七年、夫の没後に発表した『富士日記』により、田村俊子賞を、七九年、『犬が星見た――ロシア旅行』で、読売文学賞を受賞。他の作品に、『ことばの食卓』『遊覧日記』『日日雑記』『あの頃――単行本未収録エッセイ集』がある。九三(平成五)年死去。

「2023年 『日日雑記 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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