青天-包判官事件簿 (中公文庫 い 92-32)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122074125

作品紹介・あらすじ

宋代、瑞州の新任知事・包希仁は、二十代で科挙に合格した秀才でありながらどこか抜けた人柄の持ち主。任官当初はその資質を疑問視していた世話係・孫懐徳であったが、州内で「生きた牛の舌を切り取られる」という事件が起こり――(「雪冤記」)。清廉潔白、裁きは公平。晴れ渡った空の如し。「包青天」と市民から慕われた中国史上屈指の人気を誇る名判官の活躍を描く連作短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 本屋さんで見つけて、
    面白そうだと思って読んだ。
    本編の方を読んでなくても良かった。
    ボーとしているというか、
    天然な人なのに言ってるのがなんか
    意地が悪いというか腹黒いというか。
    ギャップが凄かった。
    本編も読んでみたいと思います。

  • 中国史上屈指の名判官・包季仁の活躍を描いた連作短編集「青天」。包希仁という人物を知ったのは「桃花源奇譚」でした。同じ作家さんです。
    なんというか、勝手に「遠山の金さん」的なイメージで覚えていたので、作中の活躍は予想外。「大岡越前」方面なのか。
    いやいや、気軽に市井と交流をするというのは「遠山の金さん」で、公平な裁きという点では「大岡越前」ということなのかな。ちなみに自分的に名裁判といえば、「遠山の金さん」です。おじいちゃんと一緒に松方弘樹演じる金さんを見ていた記憶。懐かしい。

    孫懐徳とのやりとりが微笑ましくて何より良い。助手というには役者不足な気がするので、世話役というところでしょうか。主人公の一番の理解者である存在であるのに、一番振り回されて苦労してしまう、という関係は清涼剤なんでしょうね。「青天」ではそういう印象の話はありませんでしたが、血生臭い事件も取り扱うこともある題材なので、主人公サイドには落ち着きを求めるからでしょう。

    包季仁、孫懐徳、楊宗之のトリオで、これからの物語ができそう。
    秀才だけど日常生活は抜けた青年・包季仁。一番の年長者で、一番の苦労性な孫懐徳。遊侠上がりの前途溢れる若者・楊宗之。頭脳派・苦労派・武闘派といいトリオじゃないですか。シリーズ化とかどうでしょうかね。資料あたるの大変そうだけども。
    創作物でもいいんだけどな。

    孫懐徳が五十路ということに、最後まで馴染めないままでした。なんだろう、年相応の小言を言ってはいるのだけど。自分の年齢が上がったから、五十路という数字から受ける印象が変わったからかな。無意識に、五十路は年長でなくて若い、とでも思いたいのか。なんだか、無闇に加齢を否定しているようで好ましくないですね。
    加齢は悪いことではないですしね。幾つになっても、年相応でありたいし、年甲斐もなくはしゃぎたいし、背伸びして年寄りぶりたいものです。

  • 文庫化をみつけて、ようやく読むことができました。
    『桃花源奇譚』の包希仁とは、別物とわかっていても、そうともいいきれない微妙なところが、『桃花源奇譚』を読んだ読者としては楽しかったです。
    桃の文鎮のくだりも、さる高貴な方の手渡しかそれとも人づてか、手渡しだった場合のやり取りなど勝手な妄想で楽しませてもらいました。

  • 清廉潔白、裁きは公平。晴れ渡った空の如し――。北宋に実在した中国史上屈指の名判官「包青天」の活躍を描く、連作中華ミステリ短篇集。待望の文庫化!

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著者プロフィール

井上祐美子
姫路市生まれ。神戸大卒。『長安異神伝』『桃花源奇譚』
などで人気を博した後、本格的な中国歴史小説に取り組み、『桃夭記』で吉川英治文学新人賞候補となる。『五王戦国志』『非花』『海東青 摂政王ドルゴン』『臨安水滸伝』『公主帰還』『紅顔』『朱唇』『青天 包判官事件簿』ほか著作多数。

「2022年 『新装版 桃花源奇譚4 東京残桃夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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