星とモノサシ (マーブルブックス)

著者 :
  • マーブルトロン
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本棚登録 : 82
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784123903387

作品紹介・あらすじ

好きな女の子と友人関係を続けるため、気持ちを殺し女装趣味を偽る男。束縛や依存が過剰な自分を持て余し、相手の気を引く嘘をつき続ける距離ナシ女。売れないバンドの追っかけを続け、遠く近い関係性にSEXで終止符を打つ女。ネットで10年間交流を続けるネッ友。会うことで関係を崩したくないバーチャル男女。近いけど、遠い。求めたいけど、求められたくない。測れない景色の中で誰もが悶えている。他者を渇望する欲求と、深入りしたくないという本音。愛の距離はどこまでも歯痒い。新鋭作家が他者との距離感をテーマに書き下ろす、最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 人との距離の取り方にスポットを当てた連作短編。ネットのみの関わりのウイコとキツネの話が短篇間を繋ぐ形に挿まれていて、流星群がどの話でも共通の大きなトピックとなる。読みやすい。

  • R-18受賞作家蛭田さんの群像短編連作。いや~よかった!蛭田ワールドを満喫。他人との心地よい適切な距離は本当に難しい。気後れや過剰な束縛欲求を持った人。他人に踏み込まず、自分へも他人を近づかせたくない人。自分の輪郭を敢えて持とうとしない人等、危うい或いは、ヤバい人満載。が何故か憎めず、自分のどこかにもそんな節があるように感じ、登場人物たちへの興味がさらに頁を捲らせる。偏った趣味、何かへの耽溺や依存はまるでNHK『ねほりんぱほりん』や『72時間』或いはフジテレビ『ノンフィクション』のよう。装丁もとても好み。

  • 単行本で読みましたが、文字が大きいのですぐ読めちゃいます。魅力的な文章というのではないけれど、一気に読める感じで良かったと思います。

  • アパレル店員の可愛い同級生、理緒ちゃんと接点をもちたい一心で、悠平は女装癖だと嘘をつく。

    理緒は誰かに依存していないと不安になる自分を持て余して、恋人研ちゃんには本音を言えないで、
    他の男と遊ぶことで欲望を抑えていた。

    人当たりのいい哲子が、リストラされてしまう冴えない奥研二郎の意外な一面を見た出来事。

    捨て猫の死から立ち直れない路子は夫と喧嘩して
    思いつきで家でした故郷で再会した昔の友達とのぎこちない時間。

    いい年してバンドマンに対する気持ちを諦められないしずる。

    チャットをするだけの顔も知らないウイコとキツネ。

    みんなつながってるぅ~~。
    それぞれが事情を抱えていて、それを受け入れてくる人に巡り合っていく感じ。
    世界は星々のようにつながっている)^o^(

  • タイトルも表紙も可愛い。
    話の流れや人物の心情はわかりやすい。
    何より文章がうまいので読みやすい。
    スイスイと入って来るし、ちょっとずつ繋がってるような繋がってないような流れが次を読みたい気持ちになる。
    一癖ある人物たちの卑屈だったり、不安だったり、不満だったり、がどうなってゆくのかが気になる。
    けど、ラストがこじんまりまとまりすぎて、普通の展開で残念。インパクトがもう少し欲しい。
    話の作り方、語り方、好きなので、次はどんな作品が出てくるか楽しみ。

  • これはこれは、なかなかに素晴らしい作品に巡り合えた。連作の短編集のような感じだね。ある人に見せる顔と他の人に見せる顔って全然違う。装丁も素晴らしい。2013/269

  • 『自縄自縛の私』がかなりどかんと胸にきて、気になり始めた作家さん。
    上記作品と雰囲気は似てたかなぁ。
    まず、凝った装丁にびっくり。

    人に見られたくない部分とか、厭な部分とかを切り取ってるのが本当に生々しくて個人的には好き。

    連作短編ということで、最後に物語がすっきりまとまっていた。

  • あまり面白いとは思えなかったし、内容が薄く感じた。

  • 帯を読んでおもしろそうだなと思って買いましたが。
    想像していた感じとは違いました。
    辿り着く場所を見つけられませんでした。
    落としどころ、というんでしょうか。
    中途半端なまま未消化なまま終わってしまいました。

    私の読解力不足です。

  • ほんのり毒ある連続恋愛短編。夫婦の緑の紙のくだりすごく、ものすごくきゅんきゅんした。いいな。わたしは多分気を抜けば理緒みたいな女。どの人物も愛すべき何かを持っていて、哀しい。哀しいというより寂しいのかな。満たされ解放されたいだけなのに。

    ラストはちょっと違う展開がよかったな。ウイコの決断は正しかったとしても。

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著者プロフィール

1979年北海道札幌市生まれ、在住。2008年第7回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞し、2010年『自縄自縛の私』(新潮社)を刊行しデビュー。そのほかの著書に、『凜』(講談社)『エンディングドレス』(ポプラ社)『共謀小説家』(双葉社)などがある。

「2023年 『窮屈で自由な私の容れもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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