村上春樹翻訳ライブラリー - 冬の夢 (村上春樹翻訳ライブラリー f- 5)
- 中央公論新社 (2011年11月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
- / ISBN・EAN: 9784124035339
作品紹介・あらすじ
天衣無縫に、鮮やかに、そして痛切に-八十年の時を越えて今も読む者の心を打つ、二十代の天才的作家の瑞々しい筆致。フィッツジェラルドのベスト短篇の一つに訳者が挙げる表題作ほか、来るべき長篇小説の原型を成す「プレ・ギャツビー」期の五篇をセレクトした"若き日の名作集"。
感想・レビュー・書評
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五つの短編が収録されておりそれぞれに村上春樹さんからの注釈が付けられている作品。表題作とメイデーはとても読み応えがあり満足感も高かったが、残りの罪の赦し、リッツくらい大きなダイアモンド、ベイビーパーティーは時代背景や私の理解力のなさもあるだろうが十分面白かったもののいまいち要領を得なかった。
ただ、風景描写や心情描写はとても美しく訳者との相性も合っていたと感じた。描写の美しさのためだけにでも読む価値はあると思う。どことなく作者はメイデーのようなマルチプロットが得意なようにも思えた。また仕方ないことなのかもしれないが個人的には訳者が「華麗なるギャツビー」との比較やそれに向けてということをしつこいくらい書いていることに少し嫌気が差した。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フィッツジェラルドのそれぞれの短編に、村上春樹のコメントがあり、ノートが導入となって読み始めることができる。
ガイド付きで鑑賞できるのがいい。 -
およそ100年前の小説。美しい少女が女性になり、翻弄される主人公の物語。といってしまえばそれまでなのだけれど、自然現象や生き物の営みの中で現れる、ほんの一瞬のきらめきを捉えて、それが失われたことを知る心の動きが描かれていた。男女のことに限らず、人生のほんの短い間でしか出会えない理解できない出来事がある。それに遭遇できただけでも、この主人公は幸運だったのかも。
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面白い。表題作『冬の夢』は、まんま『グレートギャツビー』の原型のような作品。
『リッツくらい大きなダイヤモンド』は、意外と大衆的な、ロマンチックなお話。
全体的に『ギャツビー』の要素が散りばめられたような作品が多く、これを読んだ後また『ギャツビー』を読みたくなった。 -
共感できない
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/719178 -
グレート・ギャツビーしか読んだことなくて、それも10年以上前。
この短編集を読んで、もう一度読んでみようと思う。他の作品も。
「メイデー」を読んだのが偶然にもメイデーだったことに驚きつつ。 -
自分にもジュディー・ジョーンズのような人がいた。若さゆえの一時的な感情の彩りだったのか、今はわからないし、きっと確かめたくはない。僕は失ったことで得た彩りを"更に"は失いたくないから…(でも死ぬ前に一度会いたい、いややっぱりやめとく、、 でも、、)
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『グレート・ギャツビー』の前あたりにかかれたものをあつめた短編集。フィッツジェラルドの全盛期にあたる作品集とのこと。表題作「冬の夢」は主人公とヒロインにギャツビーとデイジーが重なる。