そして誰もいなくなる (C・Novels 49-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784125002460

感想・レビュー・書評

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  • 名門女子校の開校百周年の式典で、演劇部による「そして誰もいなくなった」が上演された。
    その舞台の最中、生徒が服毒死して上演は中断。その夜、次に殺害される役の生徒が死亡した。
    「そして誰もいなくなった」の舞台通りに連続して事件が起き、演劇部の顧問、向坂は責任を感じて。

    喫煙、飲酒が当たり前の女子高校生に違和感を感じつつ、大学辺りに舞台を移して2時間ドラマでやらないかなーなんて。
    クリスティファンとしては、最後まで原作と比べてしまうから、犯人はあの人かなーと早々に考えてしまうわけで。
    決着がついたと思ったら、ひっくり返り、それをまたひっくり返す、という展開。
    彼の最後には悲しさも感じたけれど、彼女の逞しさに読後はさわやかな気持ちになった。

  • 題名から推測できるように、クリスティの作品を題材とした作品です。
    著者の言葉として、クリスティの原作を読んだことがない人でも楽しめるとありましたが、やはり原作は事前に読んでおいたほうが良いと思います。

    次々と人が死んでいくため、やや駆け足気味な印象を受けましたが、終盤は話が二転三転し(というか、新たな展開)、とても楽しめました。
    第一章で取り扱っていたある話が、終盤まで一切進展がなかったので、「?」と思っていましたが、最後でこの伏線もきちんと回収が行われ、全体的に上手くまとめられていたと思います。
    個人的には、木彫りの熊がどう使われるのか期待していたのに、ちょっと残念でした。

  • ほほぉ。
    非常に上手く構成されているわ~と思いました。
    どんでん、どんでん的な。
    連続殺人の動機も説得力がありましたし。

    そうキター?て感じのラストが。

    「そして誰もいなくなった」が既読だともっと面白いと思う。
    つくづく、アガサクリスティーはすごいなあ。

  • 名門女子高校の天川学園は、百周年記念式典が行われていた。
    午前中は、テレビで有名になって女性に人気のある大学教授の特別公演。
    午後は、演劇部による劇だった。
    劇は、原作がアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」で脚本・演出は、顧問の英語の女性教師が担当した。
    午前の部が無事に終わり、午後の部の演劇が幕を開ける。
    初めの一人が毒を飲むシーンで、女生徒が演技と思えないほどの苦しんで倒れた。
    毒が入って無いはずの飲み物に青酸カリが入ってたのだ。
    女性教師が事に気づき幕を下ろさせる。
    しかし、彼女は死んでしまった。
    警察を呼び捜査を進めるが次の日、劇中で次に死ぬ演技をする女生徒が家の近くの公園でベンチに座ったまま死んでるのを発見された。
    今度は、睡眠薬を大量に飲み死んでいたのだった。

    終ったはずの演劇が現実の世界で起きる。
    アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」の原作の順に死んでいくのか?
    警察は、捜査を進めるが犯人が特定できない。
    そして、真実は?

    アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」をモチーフに書いた本格ミステリーです。
    途中で犯人は、こいつかな?と思いきや・・・え?と思うどんでん返しが待ってました。
    このミステリーは、お勧めです。
    極上のミステリーです。

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