- Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
- / ISBN・EAN: 9784130150323
作品紹介・あらすじ
本巻では,美学の体系として重要度が高く,しかも,あらゆる他の哲学的諸学科とも深いかかわりのあるテーマを9つ選択して,一貫した体系的連関のもと,それぞれ独自の視点から論ずる.自然/美/美的経験/芸術/想像/象徴/装飾/かた・かたち・すがた/創造〈執筆者〉今道友信,利光功,新田博衞,佐々木健一,藤田一美,細井雄介,増淵宗一,加藤信朗
感想・レビュー・書評
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第2巻は美学において扱われる様々な主題について。各章に
よって著者が違うためか、どうしても全体として統一感が
ないのは残念。例によってどこまで飲み込めたかは怪しい
ところなのだが、レディメイドなどのアバンギャルド以降の
作品は形式を示しているだけで内容がない、あるいはただの
図解に過ぎないというのは心に残った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「講座美学」シリーズの第2巻で、美学の中心的な主題についての論考9編が収録されています。
とりあげられているテーマは、「自然」「美」「美的経験」「芸術」「想像」「象徴」「装飾」「かた・かたち・すがた」「創造」で、その多くは美学において根幹となる概念です。それぞれの執筆者は、西洋における美学の展開を踏まえつつ、みずからの見解を積極的に語っています。
個人的には、新田博衛が執筆を担当している「美的経験」の章と、藤田一美が執筆を担当している「想像」の章が、興味深く読めました。新田は、芸術作品の解釈に安易なしかたで解釈学の枠組みを当てはめることに疑問を提出しており、「歴史的世界では、美的=直感的態度は何と言っても“力なき美”にすぎない」とともに、「芸術を言語的理性に基づく歴史過程の中へ埋め込んでしまうことは、作品という全体性が歴史過程を切り裂いて立ち現われる力を無視することになろう」と述べています。また藤田は、古代以来の西洋の美学史を念頭に置きつつ、現象にしたがってそのつどの「象」の刻印としての印象を受け取る能力である表象と、自己の個性を織り込んだ「像」へと形成する能力としての想像との位相差に目を凝らし、両者のあいだの往還の実態にせまろうとしています。 -
美学の主題