- Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
- / ISBN・EAN: 9784130322010
作品紹介・あらすじ
冷戦と国民経済の終焉とは利益政治的な民主政治を動揺させ,新しい争点を浮上させている.今,政治の世界をいかに構成できるのか.人の政治判断にとって必要な条件と枠組みとは何か.原論と現代民主政治論からなる本書は,21世紀に挑戦する思考の精粋である.
感想・レビュー・書評
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著者の「政治学原論」の講義内容をまとめた本です。なお、2019年現在、第2版が刊行されているようです。
本書ではまず、実証的な政治学と理論的な政治学の相克について問題提起がなされています。これは、古くから事実認識と価値認識の対立として現われてきた問題ですが、著者はどちらか一方の立場にくみするのではなく、両方の立場のバランスをとりながら、政治学のさまざまな局面においてこの問題がかたちを変えつつ現われてくることを明らかにしています。
政治学におけるさまざまなテーマがとりあげられているので、いわゆる政治学の概説書のように読むことも可能ですが、本書の本領はそこにはありません。政治学における個々の問題を、政治学それ自体の立脚点へと送り返すことで、より根本的な立場から問題を考えなおすことを読者にうながす本だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新着図書コーナー展示は、2週間です。
通常の配架場所は、3階開架 請求記号:311//Sa75 -
元東大総長で、福田歓一の下で政治思想を学んだ佐々木毅が、東大で担当していた政治学の授業をまとめる形で出したらしい。
ならば教科書的なつまらないものになるかと思うと、あとがきによるとそうならないように苦心したらしく、実際に人間とは何かということから記述が始まっているところを見ると、少し惹かれるところがある。
そして第一部の政治原論の部分は、それぞれの章が繋がって組み上げられて頭の中で政治学がうまくまとまっていく感じが面白かった。
一方で彼はマキャべリ研究から始めて、プラトンなどを見ていった人間であり、第二部の民主主義に関する記述はやや教科書的で、他の教科書の方が民主主義の専門家が書いていたりするので充実しているようにも見受けられる。
ただ単一の著者による仕事であることを思うと、やはり立派。 -
佐々木毅先生の著書。
正直、この先生の講義を聴きたいがために
東大法学部を目指しました。
佐々木先生の著書は全て購入し、理解しましたが、
その中でも『政治学講義』というだけあって
最も理解しやすいのがこの著書でしょう。
でも、やっぱり興味が無い人にはオススメできません。
ジャンルがジャンルだけに(汗)。