攻めてるテレ東、愛されるテレ東: 「番外地」テレビ局の生存戦略

著者 :
  • 東京大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130530293

作品紹介・あらすじ

テレビ離れが進むなか,いま最も視聴者から「愛されている」テレビ局,テレ東.そこに至るまでは後発局ゆえの挫折と苦闘の歴史があった.テレ東設立の歴史的経緯を辿り,テレ東が支持される理由(たのしさ)を存分に分析する.現在のメディア状況,ひいては日本社会のテレビの将来的可能性についての探求の書.「一番テレビを見ている社会学者」渾身の書下ろし!!

感想・レビュー・書評

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  •  大事件が起こったときに,他局ではニュース映像が延々と流されるなか,テレ東だけ,もともと予定していたアニメやドラマを放送しているとか。
     他局と比べ,あんまり予算かかっていないように見えるけれどアイデア勝負ですっごく面白い番組があるとか。
     素人に頼りすぎる番組作りをしているけれど,その素人さんがとても味があって,そのうち著名人になってしまうとか。

     モヤッとテレビ東京に抱いているイメージがまさにそのとおりだったなあと読んで思いました。
     また,首都圏では後発のテレビ局だったこともあり,人員的にも,予算的にもそうせざるを得ず,そこからアイデア勝負で,ニッチな分野を切り開いていくような番組作りになったのだと,きちんと説明を受けた気分でよみました。

     テレ東の歴史的な部分も,放送されてきた様々な番組も,データとしてたくさん載っています。

  • 2019I232 699.38/O
    配架場所:C2

  • 一番テレビを見ている社会学者が、テレビ東京の開局から現在までの道のりをたどり、なぜテレビ東京がこれほど愛されているのかについて多角的に考察。また、これからの日本社会においてテレビメディアが果たしうる役割も探る。

    前半の歴史篇は、テレビ東京の社内報や社史、OBが書いたテレ東本からの引用が多く、社会学者らしい筆者の主張が出てくるのは最終盤だけだった。その主張はともかく、筆者のテレ東愛が強いことはよく伝わってきた。
    (Ⅽ)

  • 私のような40代にとっては幼少期からテレビは娯楽の王様で、その試聴スタイルが茶の間から個へかわる過渡期を経験した世代だと思う。幼少期にはテレビはまだ一家に一台でチャンネル権はまだ大人のもので、両親が選ぶ番組をみる事で、その世界観によって文化的な土壌が形成された。私の場合、その代表格は「タモリの音楽は世界だ」や「大江戸捜査網」や「TVチャンピオン」だ。おそらく、子供が自発的に選択する番組ではなかっただろう。
    もちろん他の民放にもサブカルチャー的な番組はたくさんあったのだか、テレ東は予算や作りの面からもテレビ局そのものがサブ感満載で、弱者の戦術として多様性と先鋭化を教えてもらった。
    いつまでも、王道日テレの「感動ポルノ」とは対極にあって欲しい。

  • 東2法経図・6F開架:699.21A/O81s//K

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著者プロフィール

1960年生まれ。社会学者・文筆家。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビと戦後日本、お笑い、アイドル、メディアと社会・文化の関係をテーマに執筆活動を展開。著書に『社会は笑う』『ニッポン男性アイドル史』(以上、青弓社)、『アイドル進化論』『紅白歌合戦と日本人』(以上、筑摩書房)、『SMAPと平成ニッポン』(光文社新書)、『芸人最強社会ニッポン』(朝日新書)、『攻めてるテレ東、愛されるテレ東』(東京大学出版会)ほか多数。

「2021年 『すべてはタモリ、たけし、さんまから始まった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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