NASAを築いた人と技術: 巨大システム開発の技術文化

著者 :
  • 東京大学出版会
4.07
  • (4)
  • (8)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 68
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130603058

作品紹介・あらすじ

米国のアポロ計画、無人探査、科学観測、そして日本のロケット開発-その技術コミュニティを解明し、システム工学の射程を問う。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • マーキュリー計画での黒人女性の知られざる活躍を描いた映画「Hidden Figures」がめちゃ面白かったのでNASAものを。 まぁ、彼女たちは出てこないと思うけど。

  • 文書による記録・報告、変更管理、規格化、標準化を徹底するシステム工学的アプローチと、ローカルな文化、暗黙知、日常的な情報共有、個人の裁量を重んじる人格的アプローチのいずれをとるかは、月並みだが単純な二項対立ではなく塩梅であり、開発内容、工程、組織の規模等々によって変わる正解のない問いなのだと改めて思う。無論、その際力を発揮できるリーダーのタイプもまた、しかりである。
    テレビでアポロ計画の特集をみたときは、主な開発拠点だったマーシャル宇宙飛行センター、有人宇宙船センター、打ち上げ運用センターの3拠点間が対立し行き詰っていた状況で、新しく就任したNASA本部のG.E.ミラーにより、拠点間の情報共有といった管理が強化され成功したことに焦点があたっていたが、この本ではマーシャルのフォン・ブラウンが、責任分担の明確化や透明化といった管理圧力に対抗し、固定的なチームの独立・成熟した技術能力を保持したことに評価の軸が置かれているようだ。

  • 文章がとても読みやすい。

  • メインは世界の宇宙開発を牛耳るNASAの組織の変遷.前身のNACAの研究所が,NASAという巨大な組織と大事業である宇宙開発に揉まれて変わってゆく.現場VSシステム管理者,技術者VS官僚の構図がおもしろい.

    あと,日本の宇宙開発についても.

  • アポロ計画のころのNASA内部での話が各研究所別にとても細かく書かれている。筆者の情報量に感服しました。ただ、NASAの運営形態や資金の流れなどを知りたかった私にはあまり関係なかったです。

  •  nasaの単なる科学的な話と思いきや、NASAを通して組織のありかた、または官僚組織について考えさせられる本だ。宇宙科学の知識は全くないけれど、非常におもしろかったし、ためになった。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

1972年新潟県生まれ。94年東京大学工学部航空宇宙工学科卒業。同年科学技術庁入庁。99年ペンシルベニア大学大学院修士課程修了(科学史・科学社会学)。2000年科学技術庁退職。05年ペンシルベニア大学大学院博士課程修了(科学史・科学社会学)。同年日本学術振興会特別研究員(PD、東京大学)。08年政策研究大学院大学助教授などを経て、17年4月より、新潟大学人文社会科学系教授。専攻は科学技術史・科学技術政策

「2019年 『科学技術の現代史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤靖の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×