- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140016633
作品紹介・あらすじ
地球的視野の拡大と成熟した外交には何が必要か。国際社会に仲間入りした明治以降から今日までの「歴史としての日本外交」の辿った航跡を俯瞰する。
感想・レビュー・書評
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明治維新以来の日本の外交をトピックに分けて書いた本。
紙面の関係でどうしても雑駁な感は否めないが、日本外交を全体的に知りたい、俯瞰したい人にはよい入門書になるのではないだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一橋大学名誉教授・細谷千博による日本の近現代外交史概説
【構成】
第1部 近代日本外交の展開
第1章 国際社会の平等な一員を目指して
第2章 二つの大戦争
第3章 帝国主義列強への仲間入り
第4章 第一次大戦とパリ講和会議
第5章 ロシア革命と共同干渉
第6章 ワシントン体制と幣原外交
第7章 満州事変と国際的孤立
第8章 国際体制の現状打破
第9章 太平洋戦争の破局
第10章 敗戦・占領・講和
第2部
第11章 日米関係 1952-1960~吉田ドクトリンから安保改定まで
第12章 日ソ関係 1952-1980
第13章 日本と中国~吉田書簡から日中平和友好条約まで
第14章 日本とアジア諸国
第15章 沖縄返還と日米経済摩擦~日米関係1960-1992
第16章 日本と西ヨーロッパ・EC
第17章 1990年代の日本外交の進路
構成を見ればわかる通り、第1部は時系列、第2部の戦後は各国家・地域との二国間・地域間の外交関係を概観している。第1部については、『シベリア出兵の史的研究』で名高い著者だけに、対ソ干渉戦争に1つの章を割いているところが印象的であった。
第2部は当然日米関係が中心となるが、対ソ連との距離感の変化や対ヨーロッパの経済摩擦など、日米関係だけでは見えにくい関係も触れられている。
全体として非常にオーソドックスである上に、初版が1993年であるため冷戦終結後がカバーされていないということもあり、新たな知見に触れるということはほとんど無いだろう。しかし、日本近現代外交史研究の泰斗によるバランスのとれた信頼のおける概説であり、入門書として読んで損はしないだろう。 -
個別具体的でイメージが湧いて楽しく読める。