エコロジカル・マインド: 知性と環境をつなぐ心理学 (NHKブックス 881)
- NHK出版 (2000年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140018811
作品紹介・あらすじ
「知性」とは何か。何が私たちの柔軟な身体の動きを支えているのか-身体の「歩ける」性質と、地面という環境の「歩かせる」性質が合致してはじめて、私たちは歩き始める。環境が生き物に与える行為の機会を"アフォーダンス"と名付け、知性と環境を、相互作用する一つのエコ・システムと捉える生態心理学。従来の心理学や認知科学の知見を覆すその革命的理論に基づいて、私たちの日常的行動の柔軟さや巧みさの仕組みを解き明かしていく。「内なる抽象物」としての心や知性を、身体という境界から解き放ち環境という具体に着地させる、新しい生命観・人間観の登場。
感想・レビュー・書評
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だから生態心理学では,あなたが道を歩くことができるのは,あなたの身体の「歩ける」性質と,環境の一部としての道の「歩かせる」性質とが適合した結果であると考える。歩くという行為が成立する上で,動物と環境とが対等に責任を負うのである。それはおそらく,私たちが日常的に行っているそのほかの行為でも同じである。(p.10)
動物たちは,周囲の環境との「接触」の中で,それぞれの種に独特の身体を使って,それぞれのオリジナルなやりかたで,特定の行為を実現している。「相近」という進化の文脈で発見された事実を,行動のスケールまで拡大することによって見えてきたのは,私たち人間や動物の行為が,等しく環境との関係の中で生じているということだ。人間を含め,動物の行為に見られる有能さや巧みさは,動物に一方的に帰属しているわけではないようである。人間や動物の「持ち物」であるという先入観を取り払って,エコロジカルなものとして「知性」をとらえていく必要があるのだ。(p.16)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
環境と行為。アフォーダンス。
内容は非常に難しいが、リハビリを考えていく上で、環境への配慮や動く事で感覚を知覚するということは考えていかなければいけない。
私には理解するにはまだ早かった印象。 -
運動-知覚の循環...
生態心理学...
僕の好きな領域です! -
アフォーダンス入門はこちらを。
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2008.3.18購入
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2000