北条時宗と蒙古襲来: 時代・世界・個人を読む (NHKブックス 902)

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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140019023

作品紹介・あらすじ

北条時宗は、救国の英雄だったのか。蒙古襲来は、国家の危機だったのか。紋切り型の時宗像を排し、限られた史料から、モンゴルの脅威に向き合ったその孤独な実像に迫る。時宗の岳父・安達泰盛に焦点をあて、さらに得宗家の主導する鎌倉幕府の限界をラディカルに変革しようとした、政策の実態に迫る。時宗と泰盛。二人の生涯をたどり、中世という時代を読み解く、第一人者による野心作。

感想・レビュー・書評

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  •  表題は北条時宗のみだが、安達泰盛についてもかなりの紙幅を割いている(「弘安徳政」の評価が極めて高い)。鎌倉幕府の統治体制の変容、元寇前後の国際情勢(特に高麗・元関係)、「蒙古襲来絵詞」の画像解析、禅宗・律宗と鎌倉幕府との関係など論点は多岐にわたり、史料引用も多く、かなり専門的な議論にも踏み込んでいて読者を選ぶ。巷間ありがちな「救国の英雄」的虚像を全面否定しているのは言うまでもない。

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著者プロフィール

1949年、大阪市生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。博士(文学)。
同大学史料編纂所、同文学部・人文社会系研究科、立正大学文学部を経て、現在東京大学名誉教授、公益財団法人東洋文庫研究員。
専門は日本の対外関係史。国家の枠組みを超えて人々が活動し、「地域」を形成していく動きに関心をもち、あわせてかれらの行動を理解するのに不可欠な船、航路、港町などを研究している。
おもな著書に、『中世倭人伝』(岩波新書、1993年)、『東アジア往還─漢詩と外交─』(朝日新聞社、1995年)、『世界史のなかの戦国日本』(ちくま学芸文庫、2012年)、『日本中世境界史論』(岩波書店、2013年)、『日本中世の異文化接触』(東京大学出版会、2013年)、『古琉球─海洋アジアの輝ける王国─』(角川選書、2019年)ほかがある。

「2021年 『東アジアのなかの日本文化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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