養老孟司 太田 光 人生の疑問に答えます

制作 : 養老孟司製作委員会 
  • NHK出版
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140811665

感想・レビュー・書評

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  • 新しい感覚が、たくさん詰まっていた。目からウロコ、は大げさにしてもなるほど、そう考えるんだ、という発見はたくさんあった。

  • f.2020/9/3
    p.2007/1/27

  • タイトルそのままの、両氏が人生相談に回答するという企画本だが、両氏とも”寄り添い”とは無縁笑、はるか上空から目線で評価評論しちゃっている。宗教者やカウンセラーじゃないんだし別にそれでいいのだが、やや企画倒れというか、両氏の対談、なんなら養老センセイの独白でよかったのではないか・・・

    P27 若い人は、今、自分がいるところが当たり前のところで、「創造性」や「独創性」というものはそこから上に、何か手の届かないようなところにあるというようなイメージを持って要るようです。しかし実は、今、自分がいるところの下、足元を掘って彫って突き抜けたところにあると思うのです。[中略]つまり独創性や創造性というのは結果から生み出されるものであって、それを意図してやったことからは出てこないものだと思います。

    P43 若い人は「個」と「公」の区別、年配者は「個」と「役回り」の区別がちゃんとできていない。

    P46 今の人たちが言っている「創造性」というのは、この2つの例(頑固さやある種の偏見を持っているパスツールとひらめきのモーツァルトの例)をごちゃごちゃに混ぜってしまっているところがあるのです。

    P135 今の社会をこれだけ秩序立てられているのは石油があるおかげなんですよ。
    【中略】要するに人間の予想外のことが起こらないようにしているのが石油なんです。

    P160 仙人になりたいのなら、妻子を縁側から蹴落としても胸が痛まないくらいになるまでは、働くしかないでしょうね。出なければ、働いている格好だけでもしておかないと、今ある後ろめたさは消えませんよ。【中略】この人は自分が社会で役立っているという実感がなかったので、仙人のような生活をしたいと考えるようになったのではないか。

    P167 山を歩いていて石に躓けば「足元を見て歩きなさい」と注意されます。でも東京の銀座で石に躓いて転んだら「誰だこんなところに石を置いたのは」となりますよね、このように自分で考えていること以外のこと、今の例でいうと予想もしていないアクシデントがあると、その責任はだれかのせいになるわけです。都市とはそういう世界なのです。【中略】歳の中からひとりでに消えていくものが自然なんですね。ところがすべての自然を消そうとしても消せない自然があります。それが子供と我々の「体」でこれは人の思うようにならない自然なのです。

    P191 いくら自分が迷おうが迷うまいが、結局、何かを選択して、その選択は必ず取り返しがつかないことになっているのです。

  • 合わなかった…
    本として、ではなくインタビュー的なやつだったから?
    途中でやめてしまいました。

    自分らしさで、
    人と接するなかで、周囲にどうしても合わせられない部分が「自分」になっていくと。
    世間と付き合っていけば、自分は自然に分かっていくと。

    それでも、意識しないと忘れて行っちゃって、やっぱり自分って分かんなくなっちゃうよねー

  • 養老先生50。

  • 勘違いの連続が僕らの人生。

  • 978-4-14-081166-5 221p 2007・1・30 1刷

  • 創造性と言うのは夢なのか、幻想なのかーーーほとんどが幻想なんですけどね。ただ現実は、「創造性のある芸人、ない芸人」ではなく、「やめないやつとやめるやつ」という、その違いだけのような気がします。
    今の人たちは、よく「自分」「自分らしさ」「個性」ということを言いますが、このことについてどうも公私混合を起こしているように思います。「自分と仕事」と言う関係でこれを考えると、仕事とは「社会的役割」で、それは公のことです。ですから、仕事では私的な部分である「自分らしさ」は関係はなく、結果責任が問われてくると言う関係にあります。このように仕事では、個人として結果責任を引き受けているのですから、そこには報酬と言うものが出てくる。自分と仕事の関係とはそれだけのことだと思うのです。
    自分が何かをコツコツ積んでいけば、それがひとりでに自分の自身に成り、人の言うことそのものが自然ときにならなくなるという意味だったと思います。人の言うことを気にしていること自体、ギリギリまで何かに取り組んでいる状態ではありませんし、ギリギリのところまでやっていれば、そんなことは耳に入らないし、考える余裕なんてないものです。
    金儲けでも何でもいいじゃないか、有名になりたいのでも、それをやりたいと言うことには間違いないんだからと。ピュアで芸術活動をやっているやつはそんなにいないんじゃないか、ピカソだって金を儲けたかっただろうし、みたいなことで行くと、今度は自分がだいぶ赦せるようになってきた。
    間違った悩みというか、無意味な悩みがあるとすれば、そのことに気が付いていない悩みです。悩もうが悩むまいが人生は過ぎていってしまうわけですから。その時々の行動に対する責任は、その都度その都度で全部自分が取っていくものなのです。それを分からずに悩んでいるほど、無意味な悩みはありません。

  • 159 ヨ  登録番号8958

    体育科先生寄贈

  • <特に印象に残ったこと>
    *その場その場で与えられた仕事をさらに掘って、新しい知恵ややり方を生み出していったわけです。
    *自己評価とは、ときに自分に枠をはめるものになる
    *間違った評価に対する責任は評価した人にあるのであって、された人に責任があるわけではありません。
    *自殺を考えているのは「脳」だけだということです。
    *周りの反応で自分を見つめることができる
    *子どもにかける愛情には温かい面と残酷な面の二面性がある
    *他人の夫婦関係に基準を求めているように思うんです
    *生きていくということは厳しいことであって、そういう厳しさに耐えられないで生きていこうということ自体がおかしなことなんです。
    *「過ぎし戦の手柄を語る」おいうのがあって、生き延びてくれば懐かしい思い出になる
    *いじめ問題は子どもから自由な世界を奪ったことが原因
    *今までは考えなくてもよかった。ひとりでに死んでいたら、今はひとりでに生きちゃう時代なんです。
    *周りが寄ってたかって生かそうとしますから。これからは老人文化みたいなもの、老人としてどう明るく生きるかどいうことを作らないといけない時代
    *自分が死ぬということは、誰でもわかっているというんだけれど、わかっていても絶対に動かない。
    *これはいわば一生は新でから考えるという話ですよ
    *日本の江戸時代というのは大変なものだと思うのは、あれだけの秩序をそういうエネルギーを木材のみで作ったということで、恐らく石油を使わずにできる人間に代行の秩序社会
    *後ろめあたいという時点で仙人にはならない
    *仕事を嫌々やった人には真にやりたいことは見つからない
    *山を歩いていて石につまづくと「足元を見て歩きなさい」と注意される。でも東京の銀座で石につまづいて転んだら「誰だ、こんなところに石を置いたのは」となります
    *都市から「死」が消えています。今の人は死ぬことを異常な出来事からだら、人は家では死ななくなっている。人が死ぬ場所は病院なんですね。
    *大人は子どのに「こうやったほうが早い」「こうやったほうが楽だ」どいうことばかり教えてきた
    *しんどいことをわからないまま育ってしまった
    *最初から楽な奉から入るから、子どもから努力、辛抱、根性が消えちゃった
    *脳でいえば辛抱によって育ってくる過程で何年も遅れてしまった。
    *取り返しのつかないことの連続が人生なのだ
    語りがまだ単調になってします。微妙な手加減な話をする。

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著者プロフィール

養老 孟司(ようろう・たけし):1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。医学博士(解剖学)。『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。同書は450万部を超えるベストセラー。対談、共著、講演録を含め、著書は200冊近い。近著に『養老先生、病院へ行く』『養老先生、再び病院へ行く』(中川恵一共著、エクスナレッジ)『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』(毎日新聞出版)、『ものがわかるということ』(祥伝社)など。

「2023年 『ヒトの幸福とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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