知の逆転 (NHK出版新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140883952

感想・レビュー・書評

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  • 話題の新書ということで店頭で購入。なんというか、まずはこのインタビュアーの人すごいなぁ、という。それぞれの分野・学問の第一人者に話を伺っていて、内容がオモシロいのは当然でありそれはそれで満足だが、タイトルにある「逆転」というよりは現状を肯定しつつプラスアルファの意見を付け加えるという印象。なので、「逆転」というのは言いすぎかなぁと個人的には思いました。スミマセン。

  • ダイアモンド
    ・幸せな結婚にとって一番大事なことは、幸せな結婚にとって一番大事なことを探さないこと。セックス、子ども、相手の家族、38以上の要因が関係する。1つの要因に絞り込まないことが大事。

    オリバー・サックス
    ・経験が遺伝子の発現を促す。遺伝子と経験どちらも重要。

    ワトソン
    ・科学者たち全員が協調しているより、競争している方がいい。何人も一緒に働いていると、どの方法がベストかみんなの同意を得なければならない。総意というのは往々にして誤っているもの。あくまで個人が際立つ必要がある。科学を促進させるのは、とりもなおさず個人を尊重すること。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      今週末Eテレで「世界の叡智6人が語る 未来への提言」の後編が放送されます。
      http://www4.nhk.or.jp/P2686/x/20...
      今週末Eテレで「世界の叡智6人が語る 未来への提言」の後編が放送されます。
      http://www4.nhk.or.jp/P2686/x/2013-07-19/31/24350/
      2013/07/16
  • オリバーサックスやジェームスワトソンという生命科学の大御所のみならず、AIのミンスキー、生態学のダイアモンド、そしてチョムスキー。どの人物の話も刺激的で、一読の価値がある。

     チョムスキーの「言語か先か、音楽が先か?」の議論が面白い。言語は人間に特有の能力であり、進化上、言語はほんの一瞬にして発達したと言う。一方、人間の全ての種族に音楽、ダンス、アートというものが存在することも明らかである。しかし、言語の爆発的発達期より以前にこれらが存在したかは不明である。なにしろ言語の存在する前は「記録」が残っていないのだから。現状はわかっていないとしながら、彼は、音楽を形作るリズムや構造は、数学などと同じで、言語の副産物ではないか、と述べる。
     音楽の持っているリズムや抑揚、テンポというものは、直感的には人間の暮らす自然環境と密接に関連しているので、言語を必要としないで生まれて来るのではないか、と思う。むしろ、ある環境で生活する共同体に共通の「音楽」があり、それが言語の素になったとは考えられないだろうか?
     脳の言語野と音楽中枢は一部重複しているが、言葉は普通にしゃべれても音楽を聞くことができない「失音楽症」という疾患がある。言語と音楽の関係は、その進化的な順序のみならず、とても興味深い問題だ。

     この話はオリバーサックスの所でも出てくる。アルツハイマー患者で、個別の記憶やエピソード記憶が失われても、音楽に涙することがある。「ことば」とは違う次元に記憶されるものを音楽は持っていることに他ならない。

     そういう状況で思うことは、インターネット中心の情報化社会においては、「ことば」の力が相対的に増加し、「音楽」の力が低下しているのではないかということ。音楽業界の不振は今さら語るまでもなく、「音楽」のもつ根源的な意味を問うてみることが必要だな、と思った。

  • トム・レイトンによるアカマイ・テクノロジーズ社設立の経緯が興味深かった。

    ・・・と言いつつ、自分が引用した箇所を見てみるとノーム・チョムスキーからのものが圧倒的に多い。
    彼の思考はエキサイティングでいつも刺激される。
    国際文化学部で学んだ頃を否応なしに思い出した。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「彼の思考はエキサイティングでいつも刺激される。」
      私は、吉成真由美がスゲーって思った。
      「彼の思考はエキサイティングでいつも刺激される。」
      私は、吉成真由美がスゲーって思った。
      2013/07/06
  • オリヴァー・サックスのインタビューが読みたくて買ってしまったが、全編にわたって楽しめた。おすすめ。




    『銃・病原菌・鉄』の著者ジャレド・ダイアモンド、生成文法理論を提唱したノーム・チョムスキー、神経学者オリバー・サックス、人工知能の父マービン・ミンスキー、アカマイ創業者・数学者のトム・レイトン、二重らせんのジェームズ・ワトソン。

    彼ら全員に

    業績、著書について
    教育について
    宗教について
    今の最大の関心事
    老いについて
    推薦図書

    についてインタビューしており、クロス表の形でまとめてみると面白いかもしれない。

  • チョムスキー、オリバーサックスなど、現代科学に影響を与えた6人へNHKの元ディレクター吉成真由美がインタビュー、それを編纂したもの。オリバー・サックスが教育について発言しているものが一番印象的だった。コンピュータ、数学、医学の接点で仕事している立ちの発言は、みんな目新しくて、刺激的。

  • これはこれで、刺激的な本。
    六人の世界を代表する知の巨人たちに作者がインタビューをしたものをまとめた本。
    ただ、作者が会いたい人というのが、どちらかというと二十世紀を代表する人たちで、すなわちかなりの高齢の人たちであり、その人選に個人的な趣向が強すぎるのでは、という気がしなくもない。
    というのは、この本は二十一世紀をどう生きるかを、二十世紀松の視点から語る、という読み方をした方がしっくりくるように思うからだ。
    なぜなら、9.11以降の明らかに狂ってしまったとしか思えないアメリカ合衆国の進み行きについての批判らしい批判が全くなされていないからだ。あのチョムスキーでさえも!
    唯一、トム・レイトンの記事の中で、9.11に触れられている部分はあるが、それは同僚がテロに巻き込まれて命を落とした、という個人的に悲しい出来事であり、そのような触れ方しかされていない。

    そんなわけで、ぜひ作者には続編として、二十一世紀を代表する知の巨人にも同様のインタビューをしてほしいと思う。

  • 頭のいい人6人と著者のインタビュー集。

    インタビューの最後に必ずおすすめの本は?という問いに対してそれぞれの答えがおもしろかった。

    もっと勉強しよ。

  • 脳科学、教育、社会や文化、そして一個人の思考や思想などに関する話が盛り沢山。
    情報氾濫している現代の中で何を選択し、それをどのように自分の頭で考えるのかの大切さを再認識するに至った。
    「真実を求め続ける」ことこそが、知を高めていく手法である。

  • 今読むべき良著。
    こんな濃厚な本にはなかなかお目にかかれない

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著者プロフィール

1937年生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校。専門は進化生物学、生理学、生物地理学。1961年にケンブリッジ大学でPh.D.取得。著書に『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』でピュリッツァー賞。『文明崩壊:滅亡と存続の命運をわけるもの』(以上、草思社)など著書多数。

「2018年 『歴史は実験できるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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