本当の仏教を学ぶ一日講座 ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか (NHK出版新書)
- NHK出版 (2013年2月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140883990
作品紹介・あらすじ
いま、心のよりどころを仏教に求める人が増えている。なかでも注目されているのが、"信仰"ではなく、"自己鍛錬"の重要性を説く原始仏教=「釈迦の仏教」だ。ブッダの生涯はもちろん、仏教成立以前のインドの社会構造、僧団の生活規則など6つのテーマ(講座)からブッダ本来の教えを知る。
感想・レビュー・書評
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本著は、お釈迦様の生涯や仏教の歴史、時代背景、仏教の教えなど、仏教とは何かについて、とてもわかりやすく書かれた本です。
ぜひぜひ読んでみてください。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
現在の日本の大乗仏教とはちがう、御釈迦様が説かれたオリジナルの仏教とはなにか、に迫っています。
もちろん、オリジナルかどうかに拘るのはナンセンスだし、その時代に生き残っている教えが、真に必要とされている教えです。
オリジナルを学ぶことは、そのエッセンスが何かを突き詰めるために必要なのでしょう。
そのうえで、仏教は実践の宗教である、ことを再認識することができればいいのだと思います。
それにしても、知れば知るほど、シッダールタは厨二病を拗らせちゃったことがよくわかります。(しかも29歳をピークに)
現代息づく厨二の教え。 -
講座形式でブッダの生涯、仏教の基本を説明。初学者にもわかりやすく書かれている。ただ仏教分裂のところは著者の自己研究でディープな内容に。
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他の世界宗教入門の様な本を読んできた中で自分の思想に一番合っていそうなのが原始仏教だという話を友人にした所、こちらの本をおすすめされる
なるほどわかりやすく原始仏教、つまりはお釈迦さまがどういう事をなさったのかがとてもわかりやすく知れた気がする
原始仏教を自身の軸にしてる人との付き合いが一番気楽だろうなぁ -
知識ゼロでも読めるいい入門書
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当時の時代背景から、ブッダがなぜ出家して悟りを開くにいたったのか、分かりわすく書いてある。ブッダに興味が湧いたら読んでみるといいと思う。
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佐々木先生の本は初期仏教を学ぶのはいいなと感じたので続けて.
先日、佐々木先生を絶賛する人とお話をする機会があった。以前からうっすら感じていた「佐々木先生は大乗仏教に愛がないのではないか」という疑念をぶつけてみた。佐々木先生は真宗の僧侶であるし愛情がないわけではない。著書にもそのあたりのことが出てくる本もある!といわれていたのだが、これがまさにその本だった。
佐々木先生は、大乗仏教と分けて小乗仏教ではなく「釈迦の仏教」という言葉で説明される。この本は一日で学ぶという仮定の一日講座を想定していて6時限単位になっている。
ただ「こういわれています」という事実に基づいた内容だけでなく、当時の人々や世界観をイメージしていきいきしたお話で語られる。そして最後には釈尊の教えを伝え知る人が今ここにもいることを喜んでいる。
基本的な初期仏教と大乗仏教の違い、どのようにして大乗仏教が発生したのか、釈尊が求めたものなど、時系列で書いてあってとてもいいと思う。前に読んだ『100分de名著 大乗仏教』『100分de名著 ブッダ最期のことば』のさらに全体を描いたもの。
地味に佐々木先生の著書は追っていこうと思う。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています -
釈迦の仏教の本質は、信仰ではなく、自己鍛錬にあります。
生きることの苦悩と向き合い、自己の改良を説くのがブッダ本来の教えです。
この釈迦の仏教を、ブッダ誕生以前のインド社会の構造、ブッダの生涯、弟子との逸話、サンガの生活規則など6つのテーマから解説します。
著者は原始仏教の世界的権威佐々木閑先生。
とても分かりやすく、しかも深いところまで解説されています。
仏教を知るための入門書に最適です。
「頭髪が白くなることで長老になるのではない。ただ年をとっただけの人は「むなしい老人といわれる」(ダンマパダ260)
手厳しい言葉です。しかし本当のことです。年寄りだからまわりが大事に扱ってくれる、年寄りだから尊敬されるのは当たり前などと考えてはいけません。 ー 188ページ -
ブッダと仏教のイロハから説き起こしており分かりやすい。シッダルタ当時の史実は、教団の成り立ちに直結する話なので興味深かった。今日残る日本の仏教と初期仏教(釈迦仏教)は、根は同じでも似て非なるもので、分岐という言葉がぴたり。教義もさることながら、組織化の妙が仏教発展の基礎だった辺り、もっと深く知りたい事柄だった。
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・とても分かりやすく解説している本です。初心者におすすめです。
佐々木閑さんは冒頭「まずは、仏教が生まれる前のインドがどのような状況であったかを知っていただいて、お釈迦様はなぜその時に仏教をつくらなければいけないと考えたのか、それを理解していただかなければなりません」と書いています。
そう考えると、釈尊は決して自分の苦を乗越えるためではなく、社会から苦を無くしたいと思って出家されたのかもしれません。釈迦族が滅ぼされる時も決して闘おうとはせず、自ら到達した諸行無常の境地を貫いた釈尊にも、強い怒りや深い悲しみに襲われることがあったと思います。
現代の日本において、仏教というと、どうしても葬式というイメージですが、お釈迦さまの教えは、いまという時代にこそ蘇って欲しい。
信仰が生まれる背景には、支配者側の都合や被支配者側の苦悩があるんですよね。変遷の歴史を学ぶことは、大切ですね。
生老病死を乗り越えるためには、自分への執着を捨て去る必要があるということは理解できますけど、日本では、托鉢だけでは生きて行けないですよね。