おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか? (NHK出版新書)

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140884317

感想・レビュー・書評

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  • 実は、池上さんの本を読むのはこれが初めて。池上さんらしいわかりやすさで、とてもおもしろかった。
    ただ、星が4つなのは、①やっぱり分かりやすさを優先させるあまり、単純化し過ぎているのではと感じられる箇所があること、②やはり池上さんご自身が経済学部のご出身であるため、「宗教」「経済学」「歴史」の章は筆運びがなめらかなのに対して、「宇宙」「人類の旅路」「人間と病気」の章は、迫力に欠けるところがあるかな、と。
    でも、この本をきっかけにして、それぞれの分野の詳しい内容を勉強していけばいいのであって、それぞれの分野の入口としては十分な内容だと思った。夫や息子にも薦めたいと思う。

  • 自分を成長させたい気持ちはあるのだけど、どんなふうに?どこに向かって?頑張ればいいのか、という長年抱いていた疑問に対して、道筋を示してくれる本。
    とにかく、私はこの大人の教養の要素を鵜呑みにして、大人として知識を深めていこうと思った。

  • 宗教、宇宙、人類の旅路、人間と病気、経済学、歴史、日本と日本人、という7つのキーワードで語られる「現代の自由七科」について、概略を述べた本。

    概略とはいえ、ほぼほぼ要点を掴んだ導入にふさわしいボリュームで書かれています。すばらしい。
    私自身詳しい分野と詳しくない分野があるのですが、自分の知ってる分野の記述を見る限りではそこそこ確からしい内容。
    もっと深く学びたい人は個別に勉強すればよいので、まずは導入を、という人のための本でしょうか。

    今読んでる本にもつながるのですが「人は、自分はどのようにして生きてくのか」を考えるにあたって必要となるべき知識なのでしょう。
    今年の頭にいろいろ勉強した哲学史の話や宗教の話が少しずつリンクしていく。

    【主に学んだこと】
    ・歴史とは強者がつくるものであり、また多分に政治的思惑が介入しうる
    ・宗教間の争いも、本質的には土地や資源をめぐる争いである
    ・科学の目的の変遷(神の偉大さを示す→純粋な好奇心)
    ・歴史の勉強の本質は「出来事と出来事の間にどういう論理や因果関係が見られるのか」を汲み取ること


    これで全て理解したつもりは全くないので、引き続きいろんな本を読んで積み重ねていきたい。

  • 現代の教養とは、宗教、歴史、科学などの7つのリベラルアーツだと、池上さんは言います。

    最近は、本屋に行くと、歴史関連の本が平積になっているのを見かけて、ブームなんだなと感じます。中韓の歴史問題が影響して、歴史を学び直したい人が多いのかな。
    近代史は、随分駆け足で習ったので、頭に残らなかった記憶があります。

    相手のことを知る上で、歴史や宗教を知るのは有益かなと思いました。

    ひとは、どこから来て、どこへ行くのか。何かをまなぶことは哲学ですね。今回も読みやすい一冊でした。

  • 池上彰氏が考える「現代のリベラルアーツ7分野:宗教・宇宙・人類の旅路・人間と病気・経済学・歴史・日本と日本人」について、その概略をまとめた本で、どの分野も、そして全体的に、うまくまとまっている印象を受けました。

    現時点で、発刊されてからすでに7年が経過していますが、「人間と病気」の章あたりは、コロナ禍の現代においては、当時よりも重要性が増していると思いますし、まさに教養として、多くの人が押さえておくべき内容だと思いました。

    ちなみに、あとがきに、会社の同期の名前が出てきまして、ちょっとびっくりしました。
    彼は、5年目ぐらいに会社を辞め、その後、この類の本の制作にかかわっているのは知っていましたが、その活躍ぶりに触れることができたような気がして、ちょっと嬉しくなりました。

  • 教養としてのリベラルアーツをさらっと全体像を学ぶのにはとても役に立った。それぞれ勉強していたつもりでも、池上さんの視点で解説されていてとても面白かった。

  • 『感想』
    〇教養とは幅広いから、その中のほんの一部の触りが載せられている。

    〇基本部分と侮ることなかれ、うろ覚えの知識が補強できるし、知らなかったことも多々あった。

    〇池上彰さんは、政治家や権力者にはかなりきついことを言っているが、普段は穏やかな人なのだろう。本の内容も分かりやすい。嫌味のない書き方がしてあるから教わることに苦がない。

    『フレーズ』
    ・宗教間の争いは絶えることがありません。しかしその争いをよく見ると、宗教そのものの違いによる争いはほとんどありません。実は宗教の争いも、よく見ると土地や資源をめぐる争いなのです。(p.74)

    ・なぜ何度も内戦をくり返すのか。それは過去にどんな出来事が起こり、どのようなことになると人びとが争い、殺し合う事になるのかという知見が蓄積されていないからではないでしょうか。(p.185)

    ・第一次世界大戦から第二次世界大戦が終わるまで、日本製の商品は「安かろう悪かろう」の代名詞でした。(略)この悪いイメージを少しでも払拭しようと、第二次世界大戦後に日本人が努力をした結果、今の「メイド・イン・ジャパン」になっていきました。(p.218)

  • すぐに役に立つことは世の中に出てすぐに役に立たなくなる。すぐに役に立たない事が実は長い目で見ると役に立つ。

    そういう生きる力になるものとは、それは自分がどういう存在なのかを見つめていくこと。自分自身を知る事こそが現代の教養。自分はどこから来て、どこに行こうとしているのか。

    宗教ー世界の成り立ちを理解しようとする
    宇宙ー自分はどこから来たのか
    進化ーアフリカから世界へどのように広がったか
    病気ー突然変異と変化
    経済ー世の中の仕組みを知る
    歴史ー勝組の歴史をどう捉えるか
    日本ー非常に曖昧な日本、日本人とは何か

  • 相変わらずとても読みやすい文章で、苦手な「宇宙」の章も楽しんで読めた。しかし読みやすさが仇となり咀嚼しながら読まなかったため、ちゃんと理解しきれていないかも。電子書籍は紙より理解力落ちている気がするのは自分だけ?

  • 私たち日本人が、どこから来たのかという話を「宗教」「宇宙」「人類の旅路」「人間と病気」「経済学」「歴史」「日本と日本人」の7つの教養について書かれた本。
    アメリカのエリート大学では、「すぐに役に立たなくていいこと」を教えるよう。なぜなら、すぐに役に立つことは世の中にでるとすぐに役に立たなくなるが、すぐには役に立たないことは長い目で見ると役に立つという考えかただからだとのこと。
    この本もそういう理念で書かれてあって、2014年発売と少し古い本だけど、時事的な話もほとんどなく、いつの時代にも通用する話が多いと思った。
    それにしても、聖徳太子が実は存在しないのではないかという説がでていることに驚いた。教科書からも消えつつあるらしい。実家の近所にある中山寺という寺は、聖徳太子が作ったといわれてて、中山寺駅にも聖徳太子の銅像があるのだけど、いなかったという結論になったらどうするんだろう…。
    筑波大学は昔は東京教育大学という名前だということを初めて知った。何で東京教育大学なのに、筑波大学なんて名前になったんだ…。
    宗教に疎い自分は、免罪符というものを初めて知ったけど、ちょっと笑った。免罪符を買えば罪が帳消しになるとのことで、カトリック教会が売り出していたものらしい。それは、キリスト教の教義的にありなのか?
    スペイン風邪が最初に流行ったのはアメリカという話があって、スペインじゃないのかよと思ったら、同時期に台湾でも似たような症状が流行していたから発生源は中国じゃないかという話になって、スペイン風邪も中国なのかと。そもそも、中国では新型インフルエンザうのウイルスが生まれやすい環境にあるらしい。中国では、豚と一緒に暮らしている人が多いらしく、その豚を介して変異して人にうつるのだとか。清潔にしすぎると花粉症のようなアレルギー反応が起きるというようなことが書かれてあったけど、やっぱり世界的に清潔にしていったほうがいいのではないかと思った。
    経済学については、その時代、時代に経済学者が経済理論を考えて浸透していったそうだけど、フリードマンという人の考えとアダムスミスの考えの違いがよく分からなかった。その間にマルクスやらケインズやらの唱えた経済理論があったそうだけど、結局最初に戻ってきただけじゃないのかと。まあ、そんな単純な話ではないのだろうけど。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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