世界史を「移民」で読み解く (NHK出版新書 575)

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  • NHK出版
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140885758

感想・レビュー・書評

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  • 歴史を暗記で覚えようとしていた過去の自分にこう言いたい。歴史は流れで覚えろと。おかげで、こういう本を読むときは毎回苦労するハメになります……

    内容としては、古代の移民から、中世の商人たち、奴隷貿易から現代の難民まで、様々な「移民」について各章ごとに、簡潔にまとめられている印象です。なので読みやすいことは読みやすいのですが、自分みたいに基礎知識が抜けていると、言葉がサラサラと流れていってしまうこともしばしば……

    やっぱり印象的なのは、現代に近い話かなあ。イギリスとスコットランドの問題、難民の問題、EUの問題、それの元を辿っていくと、ヨーロッパ諸国の帝国主義的な拡大や、領土の勝手な分割による民族問題などがあります。そのあたりが割とわかりやすく解説されていたので、今後その関連のニュースを見るときは、もうちょっと身近に考えられそう。

    アメリカの拡大と移民の話も、個人的に面白かった。国を拡大していくにつれ、人口も増え格差が表われ、その不満を覆い隠すために、アメリカに移民を渡らせたヨーロッパの国々。そして、国の労働力不足を補え、また広大な土地を持っていたため、大量の移民を受け入れることができたアメリカ。

    結果、アメリカは押しも押されぬ大国になったわけですが、こういう流れがあったと分かると、別に英雄が出てこない歴史も、それはそれで面白いなあ、と思えるわけです。

    様々な名も分からない人たちの流れがあって、今の世界があると思うとロマンチックな気もするのですが、その負の遺産も一方であるわけで……日本も移民をめぐって揺れている時期でもあるので、そんなことも考えないといけないなあ、とも思いました。

    • nejidonさん
      とし長さん、こんにちは(^^♪
      昨日地球っこさんのコメント欄でお会いしましたね。
      楽しい時間をありがとうございました・笑
      それからフォ...
      とし長さん、こんにちは(^^♪
      昨日地球っこさんのコメント欄でお会いしましたね。
      楽しい時間をありがとうございました・笑
      それからフォローしてくださり、お礼を申し上げます。
      滅多に小説を読まないので、待っても待ってもお好みの本が登場しない可能性大です。
      ガッカリされるといけないので、先にお知らせしておきますね(^^;
      どれも丁寧なレビューばかりで読みごたえがありますが、興味を惹かれたこちらの本にコメントしました。
      移民問題にはどうしても消極的ですが、そんなことは言っていられない状況ですね。。
      どうぞよろしくお願いします。
      2020/01/15
  • h10-図書館2019.8.3 期限8/17 読了8/3 返却8/4

  • 2023年度【国際学部】入学前知トラ「課題図書」推薦作品

    OPAC(附属図書館蔵書検索)リンク
    https://opac.lib.hiroshima-cu.ac.jp/opac/volume/476745?locale=ja&target=l

  • このような大きなテーマを新書で、かつ、この分量で描くのは難しいですよね。どの章も今ひとつもの足りませんでした。時代を絞るとか、視点を統一するとかした方が読み易い気がしました。

  • 冒頭は良さげなのに途中ムムムと首を傾げ終盤には

  • これを読むには傍らに地図帳を置かなければならないと思いながら読んだ。

  • 世界史と地理が縦と横でつながるような面白い話だった。

  • 著者は少し論理的思考を訓練すべき。

    著者には基本的な論理的思考力が欠如しているように思う。例えば火縄銃の伝来のところでも、伝わっている火縄銃は複数の種類があるので、よく知られているように種子島で一回で伝えられたのではなく、異なるルートから伝来されていたはずである、としているが(そしてあたかもそれが常識で常識を知らない我々は。。。という感じの口調だったが)、

    一つの船に複数の種類の銃が載せられているというのはよくあることなので(というか一種類の銃しか載せていない船などないのではないだろうか)、複数の種類の銃が伝来していることが、必ずしも異なるルートから伝来されているわけではなく、そのようなことを言うためには、しっかりとその異なる銃は、それぞれ同じポルトガル船に乗っていることはありえない、ということを示さなければならない。それがなければ、異なる種類の銃が伝来しているので、実際には分かっていないだけでさまざまなルートから伝来したのだろう、というぐらいの慎重さが必要である。

    このように著者は一般常識が移民の視点から見ると、間違いである、とたびたひ主張するが、読んでいる限り、どこが間違っているのか、論理的に説明がなされておらず、論理的なほころびは素人目にも明らかである。

    著者は、歴史研究者としての基本的な思考力や資料を慎重に検証する批判的思考力に欠け、また著述がかなり独断的であるように思われた。このような著者が大学で教鞭をとり、本書のような一般向けの書物を書くことができる日本の現状は憂うべきものである。

  •  移民と世界の発展の関係を述べた書。移民を言葉の通り移動する民族と捉え、遊牧民・ヴァイキング・黒人などの多種多様な民族にスポットライトをあてている。この本を読めば現代文明に移民が欠かせないことが分かるはずだ。
     私は現代社会において、移民がネガティブな印象を持たれている状況に疑問を抱いている。市民は移民が雇用や治安を悪化させてるという偏見を抱きがちで、本当に移民が与えている影響を考慮しようとはしていない。そのため私は移民が社会、特に政治体制にどう影響を持つかより深く研究したいと思っている。本著はこの考えに対して、歴史の面から多大な見識を与えてくれたため深く感謝している。

  • 途中読みです…そうこうするうちに所在を忘れました。

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著者プロフィール

玉木俊明(たまき・としあき)
1964年生まれ。京都産業大学経済学部教授。著書に『近代ヨーロッパの誕生』『海洋帝国興隆史』(講談社選書メチエ)、『金融課の世界史』『ヨーロッパ覇権史』(ちくま新書)などが、訳書にパトリック・オブライエン『帝国主義と工業化 1414~1974』(共訳、ミネルヴァ書房)などがある。

「2022年 『世界をつくった貿易商人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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