AI以後: 変貌するテクノロジーの危機と希望 (NHK出版新書 603)

  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140886038

作品紹介・あらすじ

「人間vs.AI」を超えた、世界の知性の最先端ビジョン!

進化し続けるAI(人工知能)は今後どうなり、人間や社会はどう変わるのか? 安易な万能論や脅威論を超えた先にある、テクノロジーの真のリスクと可能性とは。4人のAI研究の世界的知性──ダニエル・デネット、ケヴィン・ケリー、マックス・テグマーク、ウェンデル・ウォラックの語りから、人類の未来とその対峙法をさぐる刺激的な一冊!

感想・レビュー・書評

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  • 2022/03/10 amazon p418 880円

  • 急速に進化し続ける人工知能(AI)。今後どうなり、私たち人間や社会はそれにどう影響されるのか? 物理学、哲学など研究分野の異なる4人の世界的知性が見据える最先端のビジョンを通して、来るべき人類の未来とその対峙法をさぐる。

    第1章 意識 AIはどこまで信頼できるか──マックス・テグマーク
    第2章 倫理 AIに正義は決められるか──ウェンデル・ウォラック
    第3章 自律 AIが「心」を持つと何が起きるか──ダニエル・デネット
    第4章 進化 AIで人間は何者になれるか──ケヴィン・ケリー
    終章 「逆転の発想」がもたらす視界(丸山俊一)

  • 思っていた内容とは違っていた。
    もっと技術的なことを、
    素人の自分でもわかりやすい用途の実例とか
    読めると思っていたが、
    倫理的な話とか、
    途中で読むのやめたので、
    記録用の登録です。

  • ● AIはどこまで信頼できるか
    意識を持つAIと持たないAIを作り分けるべき。
    ● AIに正義が決められるか
    人間との違い。意識、感情、計画と想像をする能力
    ● AIが心を持つと何が起きるか
    自律すると言う事は人間と同じように隠し事をするようになる。
    ● AIで人間は何者になれるか
    AIは私たちが持つ価値観に照らして、自分たちが何者であるかに大きな影響与えます。

  • A Iが確立したとしてのその後の考え方やどうなっていくかが、各著名人によって解説されている。
    どの人達の考えも内容は難解な事だが、わかりやすく説明されており面白い。

    巻末には各著名人の本が載っているので今度読んでみたいと思う。そのくらい面白い。

  • 東2法経図・6F開架:007.1A/Ma59a//K

  • 世界的知性の4人によるAIについての見識を語った本。
    意識、マサチューセッツ工科大教授マックス・デグマーク氏。アシロマAI 23原則に見られる安全性への配慮が印象的。
    倫理、倫理学者ウェンデル・ウォラック氏。AIも道徳を学ぶ必要がある。話にあったジョン・サールの思考実験「中国語の部屋」に人間とAIの違いがある指摘には頷ける。
    自律、哲学者ダニエル・デネット氏。漸進性の重要さ。少しずつの積み重ねが理解につながる事で理解になるという事。
    進化、編集者ケヴィン・ケリー氏。氏の話す新しい五感については未来でどうなっていくか想像も付かないが面白い。
    終章は筆者によるまとめ。

  • 様々な立場の権威によるAIの定義とAIによって変わる私たちの暮らしの話。
    AIは私たちにとって有用なものか脅威となるのか、そもそもAIは我々の延長線上にある、知性の一つであって分離できるものではないなど意見様々。共通していたのはAIを進化させる私たちが倫理などのライン引き、ガイドラインをきちんと作ることの重要性。

    個人的な関心テーマは以下
    自動人間殺戮兵器の是非(責任の所在不明、導入者の意図に反した対立の拡大や新しい戦争の可能性、国防は人間が管理すべき?一方でプログラムされた以外の行動はしないので人間より優れている。ロボットを禁止すること=人間に人間を殺してほしいということ)、
    AI以後に生まれる経済モデル(産業革命では肉体労働が機会にとて変わられたが、AI革命では頭脳労働が人間より賢い機会に取って代わられる。)、
    AIが自立性を持つとどうなるか(自立性を持つということは野心を持ち、説得することが必要であり、不誠実で隠し事をするということ「神が人間に言葉を与えたのは互いの考えていることを隠すためである」タレーラン)、
    AIによる所得格差(FBの株式価値はフォードの12倍だが従業員はフォードの8分の1、ゆえに経済拡大&富の分配どっちも大事、ゼロサムゲームを無くす)、
    設計なき適応(環境への適応を試みた結果進化が起きたのは、理解力なき有能性の発見と言い換えれる?)、
    ケリーのユニークなテクノロジー観(テクノロジーとは石器からAIまで人間の手で作り出されたもの全て、その観点から筋肉を代替した電力のようにAIは知能知性を代替する。今後は性質や能力が異なる多種多様なAIが出る。人間の知性もAIの知性も宇宙に存在する様々な思考、知性の一種に過ぎない。)、
    AIは私たちの子供(よりよい人間、倫理観を育む)、
    モーツァルトを生もう(ピアノというテクノロジーが発明されていなければただの農家)、
    AIには人間と異なる創造性がある(全ての人間・会社の成功の秘訣は「他と異なる考え方をし、異なる・新しいアイデアを持つ」こと。スマホで365日70億人と繋がれているとそれは難しいがAIは可能。アルファ碁の独創的な1手は人間とは違う考え方による。)、
    AIの意識(意識はあるかないかのバイナリー二進数ではなく様々な程度や種類がある?)など

  • 著名人のAIに対する評価について対談したもの。

  • 最近はコロナショックのせいで、多くのニュースが消えてしまっているように思いますが、その一つが次世代技術と騒がれていた人工知能(AI)があると思います。この本はコロナ騒動が起きる前に、もう懐かしい思い出になりつつありますが電車通勤していたときに読み終わったものです。

    今後、人工知能がどのように進歩していくのか、そして人間はどのように付き合うべきかを感がなければいけない時期に来ているようです。コロナ騒動が収まるのは時間がかかると思いますが、収束した暁には多くの場所で新しい世界が広がっていることでしょう。そのときにもう既に人工知能が働いているかもしれません。

    在宅勤務をしていると通勤時間、移動時間がない分、考える時間が増えたと思います。数年後の仕事の進め方に、人工知能とどのように共存していけば良いか、今年のGWは普段の活動ができずステイホームということになりそうなので、自分なりに考えてみよう思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・未来のAIの計算速度は私たちよりはるかに速いので、人間の動きはスローモーションのように感じられるだろう。ハエを叩き殺そうとしてもハエの方が先に飛んでしまう。体が小さいため脳の動きがとても速い。ハエにとっては、人間の手はとてもゆっくり近づいてくる(p39)

    ・AIによって人間はどうなるのだろうか、と問うのは間違えで「どうなりたいか」を問うべき(p43)

    ・仕事が私たちにもたらす3つのもの、収入・目的・友達は必要である。そこで、AIによって生み出される富のすべてを確実に人類が共有し、誰もがより豊かになるようになる方法を考えなければならない(p45)

    ・人間とAIの決定的な違い、1)意識を持たせることができない、2)感情がない、3)計画と想像する能力無い、人間はこの3つが合わさることで、物事に意味を見出し、相手を理解することができる、意味付けと理解する能力の有無が基本的な相違である(p80)

    ・私たちがAIにできないことに専念したら、人間はもっと賢くなるだろう、ただしその代償として、今はできて当然と思っている多くのことができなくなるだろう(p116)

    ・私たちは多くのAIの中から選択することになる、さまざまなAIが市場で競争するようになる、様々な型の車やカメラがあるように(p139)

    ・AIは人間が作り出したものの中で最も強力な発明品である、なぜなら人間そのものを変えてしまうから。AIによって私たちは変化し、社会も変化する(p140)

    ・医療においても碁の世界においても、人間とAIの両方が組んだチームが最強となる、双方が違う知性を持ち、異なる考え方をするから(p153)

    ・AI以後は、ある朝劇的に変化している光景ではない、いつの間にか変わっているのだ、あなたが気がつかないだけで。その変化の連続性に私たちは、日々目を凝らして見逃さないようにしなければならない。それは、ささやかな生活の一場面にあり、また思いもよらぬ身近な場で出合う存在の抱える「他者性」に気づくこと。(p195)

    ・感性の微分こそが多様性との対話を可能にし、その積分が社会を作る(p195)

      2020年4月25日作成 

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著者プロフィール

丸山 俊一(マルヤマ シュンイチ)
NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサー
1962年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。「欲望の資本主義」「欲望の時代の哲学」などの「欲望」シリーズをはじめ「世界サブカルチャー史 欲望の系譜」「人間ってナンだ?超AI入門」「ネコメンタリー 猫も、杓子も。」「地球タクシー」他、異色の教養番組を企画・制作。
著書『14歳からの資本主義』『14歳からの個人主義』『結論は出さなくていい』他。制作班などとの共著に『欲望の資本主義』『欲望の資本主義2~5』『岩井克人「欲望の貨幣論」を語る』『欲望の民主主義』『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する』『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学するⅡ』『マルクス・ガブリエル 危機の時代を語る』『マルクス・ガブリエル 新時代に生きる「道徳哲学」』『AI以後』『世界サブカルチャー史 欲望の系譜 アメリカ70~90s「超大国」の憂鬱』他。東京藝術大学客員教授を兼務。

「2022年 『脱成長と欲望の資本主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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