残酷な進化論: なぜ私たちは「不完全」なのか (NHK出版新書 604)
- NHK出版 (2019年10月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140886045
感想・レビュー・書評
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これまたおもしろかった。特に前半。後半はわりと知ってる内容が多かった。前半に新しい話題をよせたのか。それとも、私が知らないだけか。だいたい高校生物の知識などはほとんどないので。いくつかおもしろい話題を。これまたツイートをあつめて。何もできなくったって、恥じることはない。そんな生物は、たくさんいる。左心室より右心室の方が弱い筋肉でできているのは肺の毛細血管から血液が漏れだしてはいけないから。心臓自体に血液を送るのは冠状動脈。確かに右心房、右心室に流れるのは静脈血だ。それだけでは酸素が不足する。魚では心臓から送り出した血液はまずえらで酸素を受け取り、全身に酸素を渡した後の血液が心臓にもどってくる。だから心臓は酸素不足となる。それを補うために消化管を利用した肺ができたらしい。それで、ときどき水面で口を開けて空気を取り入れるのだとか。なるほど。鳥類の肺につながる道は入り口と出口と2本ある。哺乳類より効率がいいわけだ。窒素を尿素で捨てる哺乳類より、尿酸として捨てる爬虫類、鳥類の方が陸上生活にはより適している。そうか、私はラクターゼ活性持続症だったのか。だから牛乳飲んでも大丈夫なんだ。意外と進化は速いということ。考えを改めないと。
ウマとヒトのマラソン大会。短距離は負けるけど、長距離になるとヒトが勝てる。普通哺乳類は毛でおおわれていて汗もかかないから、長距離走ろうとしても、体温が上がって走れない。ところがウマは汗をかくので長距離走れる。人類は直立二足歩行を始めると同時に犬歯が小さくなった。一夫一妻になり、オスどうしが争う必要がなくなったから。そして、オスは子育てに参加し、空いた手で食料を運べるようになり、生存競争に勝ち、直立二足歩行をする個体の遺伝子が広まった。死ななくては自然淘汰が働かない。自然淘汰が働かなければ生物は生まれない。つまり、死ななければ生物はうまれなかった。生物は「死」と縁を切ることはできない。進化は残酷なのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
地球が有限だから、生き残れるものの数は限られる。
そのため、自然淘汰か働く。
自然淘汰、つまり、進化は、
計画的ではなく、今この瞬間に役立っているか、
のみ問題となる。
役立つ機能を生み出すモノは、
1つの機能だけを生み出すわけではなく、
いろんなことに役立っている。
従い、あちらたてれば、こちら立たずになる。
進化においては、新しいものを
ゼロから作ることはなく、いまあるモノを
使わざるを得ない。
そのため、このようなあちらたてればこちら立たずになる。
こらが、残酷さを生み出す、と。 -
着眼点は非常に興味があったのだが、悪文で何言ってるのかわかりにくい。ブログレベル。進化のスタートとエンドの間の中間点については気になっていたのだが。
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鯉と金魚には肺がある。などちょっと理解出来ない所があった。閉経後も生き続けるのは孫の面倒をみるためって言うのは妙に納得した。
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様々な事例で進化について詳説。
各テーマの選択は統一感薄いが…
各テーマ(過去の間違った考え、一般に信じられている誤り)を正すような書き方だが、あくまで著者の仮説。そこだけは納得して読み進めたい。
しかし考え方が総じて興味深い。
読了180分 -
人間の進化について
普段なかなか考えないので
きっかけになる本。 -
背ラベル:467.5-サ
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人間が一番偉いと思ってる人はけちょんけちょんにされる本。人類はどうヒトになったかを知るとその溜飲も下がる……かも。目は設計ミスという話や一夫一婦制の話が興味深かった。私も無意識に人間が一番と思っていた人種だった
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人間の身体の仕組みから進化を解説。分かりやすい。進化論における進化という言葉の意味をよく考える必要あり。一般世間的には進歩と進化は同じ意味で使用されるが、進化論的には全く別もの。
残念なのは大げさなタイトル。煽り過ぎでは。 -
生物の進化の歴史が単方向(進化)だけでなく、ある種後退(退化)する事、それは生物自身が環境に合わせて、当然の如く選んできた道だと言うことがわかり易く説明されていた。
引用なのか創作なのかわからないが、出てくる例え話が一々面白い。
タイトルもそうだが、著者は少し捻くれた表現を使う辺りが、自分と似た感覚の持ち主かも、そう思ったらまるで、自分がその先の文書を書いてるかの如く、一気に読めた。