イノベーションはいかに起こすか: AI・IoT時代の社会革新 (NHK出版新書 634)

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140886342

作品紹介・あらすじ

日本よ、「変わる勇気」を持て! 

コロナショックによって世界経済が大きく落ち込むなか、GAFAをはじめとするグローバル企業は依然として強さを誇っている。なぜ日本との差がここまで開いたのか? それは、日本がイノベーションを起こせないこと、そして、そのための人材を輩出できる社会になっていないことに尽きる。イノベーションが起こりやすい社会は、どのように設計すればよいか。イノベーションを起こせる人材を、どのように育てればよいか。著者が実践している新しい教育と、自身の研究者としての来歴を通して、「イノベーションを起こすヒント」を探る。世界に先駆けてIoTのコンセプトを提唱した稀代のコンピュータ学者が、日本の進むべき道を指し示す一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 新しい技術を使って世の中を良くして行くには、これまでのやり方を変えて行く必要がある。日本の政府、企業ではこれまでのやり方を残しつつ新しいやり方を足していくので複雑なシステ厶になりイノベーションが進まないというのに納得。

  • 坂村健先生の本の広告を電車かどこかで見て、まだお元気でご活躍で素晴らしい、と思い、坂村先生のおっしゃることなら間違いないということで読書。

    坂村先生は、日本が世界に誇るTRONの発明者で(たぶん)、私の知らない間に組み込みOSですごいことになっていたが、1980年代にTRONを提唱し普及させようとしていた坂村先生の生き生きとした姿は今もまぶたによみがえる。
    本当はMacでもWindowsでもなくTRONがもっと世界を席巻していたかもしれなかったはずなのですが。

    本書でも坂村先生の分かりやすい解説は健在で、
    ただいくらか文系向けというか、もっとごりごりマニアックなものと勢いを期待していた私には若干拍子抜け。せっかくの坂村先生なのに、そこらへんのコメンテーターのエセIT論を駆逐するほどの勢いは感じられない。
    やはり動画の方が向いているのか…、と思ったけど、YouTubeには坂村先生チャンネルもINIADチャンネルも見当たらない。これはINIADに勉強しに来い、参加しに来い、ということか。

    とはいえ、TRON作った人がこの40年前後を走り抜けて経験してきたデジタル環境についての解説や分析、提言は最高級の専門家のものであり、間違いがない。
    全日本人が読む価値があるというか、これら坂村先生の本や論をベースに全日本人が同じ方向を向いて役割分担して進めていけば、きっといいことがあると確信しております。

  • ネット時代の今日、イノベーションを起こすには?IoTを先導してきたコンピューター学者が、イノベーションを起こす上での日本の問題点を挙げ、この国を変えるためのヒントを示す書籍。

    「イノベーション」は、日本では「技術革新」と訳されることが多い。
    だが、本来は「経済活動において利益を生むための差を新たにつくる行為」という意味。利益を生むなら、その“差”は技術革新によるものでも、原料の調達先を変えて価格を下げたことによるものでも、何でもいい。

    IoTの時代における変化の本質は、次の3つにある。
    ①オープン:
    他者と連携、共有し、資源を効率的に利用しながらエコシステムを作り生産性を高めること。
    こうした全体最適を実現する経済が基本となる。
    ②マッシュアップ:
    異なるコンテンツや技術を組み合わせて新しいサービスをつくること。
    ネットワーク技術が進化した今日、色々な人とつながれば、これが簡単にできる。
    ③ベストエフォート:
    可能な限り努力はするが、結果は保証しないということ。
    「柔軟性」や「自由度の高さ」が長所で、大きな変化に強靭に対応できる。

    法律には、大陸法(できる限り法律で決める)と英米法(法律で決めることは最小限にとどめる)という2つの体系がある。
    大陸法を採用する日本では、法律に書いていないことはしてはいけない。一方、英米法を採用するアメリカなどは、まずやってみる。よってスピードも速く、チャレンジも多くなる。

    IoTの時代、セキュリティーは最重要課題で、個人情報は厳重に秘匿されるべきだ。だが、病歴の類などは、匿名化されたビッグデータにすれば皆の役に立つ。こうした点を踏まえ、公共とプライバシーのバランスの問題として議論すべき。

  • AI、IoT DX RAP
    いろいろありますが。
    本書中盤過ぎ"最先端の「さらに先」へ"にあったように、元々の仕事や仕組みに付け加えてITというようなことでなく、全体考えてどうしたいのか、よく考えないと、、、

    ということだと思います。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00607691

    日本よ、「変わる勇気」を持て!

    コロナショックによって世界経済が大きく落ち込むなか、GAFAをはじめとするグローバル企業は依然として強さを誇っている。なぜ日本との差がここまで開いたのか?それは、日本がイノベーションを起こせないこと、そして、そのための人材を輩出できる社会になっていないことに尽きる。イノベーションが起こりやすい社会は、どのように設計すればよいか。イノベーションを起こせる人材を、どのように育てればよいか。著者が実践している新しい教育と、自身の研究者としての来歴を通して、「イノベーションを起こすヒント」を探る。世界に先駆けてIoTのコンセプトを提唱した稀代のコンピュータ学者が、日本の進むべき道を指し示す一冊。(出版社HPより)

  • 東2法経図・6F開架:007.3A/Sa33i//K

  • p33 日本の法律 大陸式 ポジティブリスト 書かれていることがやっていいこと
    米国 英米法 ネガティブリスト 書かれてはやってはいけないこと

    p52 都バスの現在地を示す動的データを出し始めた ODPT

    p58 KOMTRAX 小松だけだったのをopenにした

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著者プロフィール

INIAD(東洋大学情報連携学部)学部長、工学博士。東京大学名誉教授。IEEE Life Fellow。YRPユビキタス・ネットワーキング研究所長。組込OSとして世界中で多数使われている。TRONはIEEEの標準OSでもある。2003年紫綬褒章、2006年日本学士院賞、2015年ITU150Award受賞

「2022年 『教養としてのコンピューターサイエンス講義 第2版 今こそ知っておくべき「デジタル世界」の基礎知識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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