- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140912096
作品紹介・あらすじ
少子高齢化、IT化、グローバルな低賃金競争…、急激な環境変化に伴い、いま雇用のあり方が問われている。終身雇用、年功賃金、企業別労働組合を特徴とする日本的雇用制度を、労働経済学の理論と実証にもとづき徹底検証。さまざまな環境要因変動に対応して、雇用はどう変わっていくのか。日本人はこれからどのように働くことで幸せになれるのか。付加価値生産性を高めるための人材育成など、日本が活力を取り戻すために不可欠な雇用のあり方を指し示す。労働経済学の第一人者による雇用再生への道筋。
感想・レビュー・書評
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・人的資本理論=労働は他の生産要素と異なり、投資することで生産能力が高まるもの、ゲーリー・ベッカー
・長期雇用を保証することで、社内の人材育成が十分になされる
・アメリカでは80年代からホワイト人材の移動が流動化。人材キープのために高いコストが必要になり、法外な給与の例も。会社が疲弊する。
・日本で流動性が低いのは、解雇規制のせいではなく、よりよい条件の企業がないから。
・非正規も組合に取り込もうと言うけど、非正規と正規での処遇の差が大きすぎて合意しないのでは?
・同一労働同一賃金は年功制とか生活給とは真逆の考え。労働移動は高まるのでは?
・制度を大きく変えることに清家先生は否定的。経緯があってこの制度になるのだから、尊重すべき・メリデメよく考えるべき、と主張
・米内光政…ジリ貧を避けてドカ貧にならぬように詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
キーワード(ポイント)のまとめ P218~
「生産量=労働者の人数×一人当たり労働時間×時間当たり生産量」
労働者の人数・・・減少
一人当たり労働時間…維持または減少
時間当たり生産量を増やすしかない※
※付加価値生産性の向上が大切(単なる物的生産量でない)
役割を分ける
人間…付加価値を作る
機械…効率的な生産
付加価値生産性を高めるキーマン
①創造性のある人 オタク
②目利きの人 精神分析家
に加えて
③匠の技を持った人たち
④他人への気配りができる人
①…規制の条件を緩和し、自由を与えること。場を提供すること
③…受注生産・大企業など人材の総合力に強み
④…コンシュルジュ的な仕事(多能工化)、高度産業社会に強み
上記専門家と、同時に
組織を動かす人の仕事(組織人)の役割も大切 -
筆者が主張するように、日本型雇用制度は高度経済成長下において非常に合理的な制度あった。しかし、高度計成長を支えた「埋められた資本主義」が変容し、グローバル経済下のもとでこうした日本型雇用制度は大きな変化の時代を迎えている。
と、いったところで筆者は、日本型雇用制度を支えた
1年功序列型賃金
2終身雇用
3企業内組合 についておおむね肯定的に評価している。そのうえで、年功序列型賃金カーブをフラットにしていくのが方法として考えられるという。
目新しい主張はないが、基本は企業側の視点に立たれ書かれていると思う。 -
アメリカのように雇用を流動化すればいいのに!と思っていた私、その問題点を遅ればせながら理解しました。