新版 日本人になった祖先たち―DNAが解明する多元的構造 (NHKブックス No.1255)
- NHK出版 (2019年3月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140912553
作品紹介・あらすじ
DNA人類学の第一人者が明らかにした衝撃の事実。従来の「縄文人と弥生人の混血で日本人が生まれた」説が覆される! ロングセラーとなった初版に、革命的新技術「核ゲノム分析」による大幅な進歩の成果を惜しみなく盛り込んで、バージョンアップした完全版刊行。日本列島人の多様なルーツが今、明らかに!
感想・レビュー・書評
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ボヤッとしか理解できていないと思うものの、母から子のみに受け継がれるミトコンドリアDNAと父から息子にのみ受け継がれるY染色体のDNAなどを古代人の人骨を中心に分析し、集団としての人類のルーツを探る手法がとても鮮やかで感動した。また言語学など学問分野を跨ぎ学際的に研究する有効性も実感した。
私自身は、縄文人がいて、渡来人が入ってきて、日本ができた、という図式を無批判に受け入れていたが、実際には長らく小さな単位で生き、遺伝的多様性を持っていた縄文日本に、農業技術を持った渡来人が移住後に人数を増やし子どもたちが開拓し農業集落を拡大するなかで、交易などで平和的に在来の縄文人と関わり、遺伝子を取り込み、またその広がりが支配的になる前に別の渡来人も来ていて交わっていった様子を想像した。
また琉球人も単純に縄文人が生き続けたのではなく、ルーツを同じくする人がいたところに本土日本人がきて集団が形成されたであろうこと、アイヌ人は沿海州の人の遺伝子を取り込んでいることなど、単純な図式でないことが印象的だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
DNA解析。沖縄の日本人よりも、本州の日本人の方が大陸の漢民族に近い。大陸漢民族、日本本土人、琉球の人、という距離関係。琉球の人は漢民族よりも日本本土人に近い。
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日本列島に住む人間は、どこからやってきたのか。朝鮮半島、中国、南方の人々とはどうつながっているのか。分子遺伝学の最新の解析手法を駆使して、「日本列島人」形成のプロセスに迫る。新たな事実を盛り込んだ新版。【「TRC MARC」の商品解説】
関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40296393 -
DNA人類学の第一人者が明らかにした衝撃の事実。従来の「縄文人と弥生人の混血で日本人が生まれた」説が覆される! ロングセラーとなった初版に、革命的新技術「核ゲノム分析」による大幅な進歩の成果を惜しみなく盛り込んで、バージョンアップした完全版刊行。日本列島人の多様なルーツが今、明らかに!
第1章 遺伝子から私たちのルーツを探る
DNAの変異を利用する個人鑑定
先祖をさかのぼるということ
分子人類学の誕生
拡散と移動の諸相
第2章 アフリカから世界へ―DNAが描く新人の拡散
現生人類は4グループに分かれる
多くの突然変異を持つアフリカ人
最初にアフリカを旅立った集団
出アフリカ2つのルート
第3章 DNAが描く人類拡散のシナリオ
拡散の跡を探る
歴史を再現することの難しさ
ヨーロッパにおける狩猟採取民の系統
ヨーロッパ人の遺伝子を一変させた牧畜民の流入
第4章 アジアへの展開
第5章 現代日本人の持つDNA
各ハプログループの起源地と拡散の推定
第6章 日本人になった祖先たち
日本人起源論の系譜
二重構造説の問題点
歴史時代の日本人
第7章 南北の日本列島集団の成り立ち
多民族集団としての日本れっぽうの歴史
ダスク時代のDNA
北海道先住民の成立史
第8章 DNAが語る私たちの歴史
国家の歴史を超えて
これからの社会と私たちのDNA -
2022.08―読了
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科博人類研究部長による2007年に出た本の大幅改訂本。現代日本人のミトコンドリアDNA、Y染色体DNA、核DNAを分類してそのハプログループがアフリカを出てからどのようなルートで日本までたどり着いたのかを古代人骨のDNAの分析から丁寧に解説。13年前の時点では、まだ現代日本人のサンプル数も少なく、Y染色体も少なく、古代人骨から核DNAを取り出すのも大変、という話だった記憶なのが、この10年のデータの蓄積ぶりの凄さに感心した。
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【メモ】
・改訂されたヴァージョン。
・版元サイトには新版のページが見当たらない。
旧版(2007年)
〈https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000910782007.html〉
・旧版は売れたらしい。
・蛇足だが、ウィキペディアには「日本人」という片面的な記事がある。そこには人類学的な記述も少々含まれている。
【簡易目次】
第1章 遺伝子から私たちのルーツを探る
第2章 アフリカから世界へ―― DNAが描く新人の拡散
第3章 DNAが描く人類拡散のシナリオ
第4章 アジアへの展開
第5章 現代日本人の持つDNA
第6章 日本人になった祖先たち
第7章 南北の日本列島集団の成り立ち
第8章 DNAが語る私たちの歴史