- Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
- / ISBN・EAN: 9784142231416
作品紹介・あらすじ
「あわいの時代」を生きる
後醍醐天皇、足利尊氏、楠木正成、高師直、佐々木道誉……南北朝時代を舞台に個性豊かな人物が躍動する、日本最長の軍記物語。既存の価値観が大きく移り行く「あわいの時代」に、何を信じて己の生をまっとうすべきか? 複雑な物語を大胆に整理しつつ、その真髄を余すところなく伝える。
感想・レビュー・書評
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二つの異なる原理が併存し、重なり合っている時、その渦中にある人々は、それを理解はできていないという。鎌倉幕府が滅び、建武の新政を経て、足利義満による安定的な政権が確立するまでの『太平記』の時代は、まさにそうした「あわいの時代」であったとしている。そして、現代もその「あわいの時代」だとされている。今日、『太平記』を読む意義は、時代が似通っているからだとしている。
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吉野神宮に参拝したので、後醍醐天皇に興味を持ち、読むことにした。
さすがに太平記は長すぎるので、概略を掴むにはこちらの本がいいかなと。
足利尊氏が、自分が持ってたイメージとはかなり異なった。
楠木正成の軍略家としての優秀さも初めて知った。
後醍醐天皇は吉野神宮を造ってまで祀るほどの人だったかは疑問。 -
あわいの時代のリーダー論
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独自の視点。使えるのは少しだけ。仲時の名が出て来ない
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太平記の世界をいつかは味わってみたい。
今の鎌倉殿の13人とも重なることもありそうだ。 -
太平記は昔の大河ドラマでしか知らない世界だったけれど、今回の安田さんの解説で概要とその魅力を知ることができた。
本書は「あわい」をテーマにしているけれど、鎌倉、江戸の両武家政権と比べ、室町幕府の弱さたるやという印象があったけれど、そもそもが「あわい」の時代にあったからという話。公と武のあわいにあって、いかに世の中を治めるのかというときに、どのようなリーダーが求められるのか。それはただの剛の人ではなく、柔弱で泣くことすらあるのだけれど、戦いの場では堂々としている尊氏のような人なのではないかという。
太平記ではまた、この世とあの世の境目も曖昧で怨霊が登場してこの世に影響を及ぼしたりもする。そんなどこかふわふわして現実なのか夢かなのかわからなくなるような世界が鎌倉から室町の移行期だった。それはまさに能楽の世界でもあった。
本書は義満が金閣寺を建立して公武を統一するところで終わるけれど、室町幕府はその後再びふらつき始めるわけで、300年近い室町時代自体が長い「あわい」の時代だったのではと思ってしまう。
「あわい」を扱う能楽師の安田さんだからこその解説だったと思うし堪能させていただいた。ただこの時代に慣れていない人にはやや難しいかなぁと思った。 -
「太平記」安田登著、NHK出版、2022.07.01
121p ¥600 C9493 (2022.08.14読了)(2022.06.28購入)
1991年にNHK大河ドラマで『太平記』が放映されたとき、吉川英治著『私本太平記』を読みました。30年ほど前になりますが、概要は覚えています。今回の講義は、復習になりました。
【目次】
【はじめに】「あわいの時代」を描く軍記物語
第1回 「あわいの時代」を生きる
第2回 時代を読み切れないリーダーたち
第3回 異界が映す時代のエネルギー
第4回 太平の世は訪れるのか
☆関連図書(既読)
「私本 太平記(一)」吉川英治著、講談社、1990.02.11
「私本 太平記(二)」吉川英治著、講談社、1990.02.11
「私本 太平記(三)」吉川英治著、講談社、1990.03.11
「私本 太平記(四)」吉川英治著、講談社、1990.03.11
「私本 太平記(五)」吉川英治著、講談社、1990.04.11
「私本 太平記(六)」吉川英治著、講談社、1990.04.11
「私本 太平記(七)」吉川英治著、講談社、1990.04.11
「私本 太平記(八)」吉川英治著、講談社、1990.05.11
「随筆 私本太平記・随筆 宮本武蔵」吉川英治著、講談社文庫、1990.10.11
「太平記の謎」邦光史郎著、光文社、1990.12.20
「図説 太平記の時代」佐藤和彦著、河出書房新社、1990.12.25
(アマゾンより)
「あわいの時代」を生きる
後醍醐天皇、足利尊氏、楠木正成、高師直、佐々木道誉……南北朝時代を舞台に個性豊かな人物が躍動する、日本最長の軍記物語。既存の価値観が大きく移り行く「あわいの時代」に、何を信じて己の生をまっとうすべきか? 複雑な物語を大胆に整理しつつ、その真髄を余すところなく伝える。 -
大河ドラマ『平清盛』『鎌倉殿の13人』と映画『犬王』の間を繋ぎたくて読んだ。
なるべく簡潔に書こうとしてくれてありがたい。
だけど似た名前が多くてなかなか頭に入ってこなかった。また機会があれば関連本を探して読みたい。 -
アーカイブも含めて読了しました!太平記という古典が、いかに普遍的な意味を持っているか?に触れることが出来ました。感動すら覚えます。